経営管理ビザ

経営管理ビザの役員報酬

経営管理ビザを取得した外国人経営者は自身で役員報酬を設定することになります。一般的な事業経営の場合、黒字化をめざすまたは事業を安定させるため役員報酬を低く設定するまたは無報酬にするということがあります。経営管理ビザの要件に、在留資格を取得した外国人が日本で安定的に生活できることが求められています。そのため、役員報酬を低報酬や無報酬にしてしまうと日本で生活していくことができるのかという点で疑義が生じてしまいます。

すると必然的にどうやって生活資金を得ているか、ということになり必要な資金を得るために経営管理ビザで認められている以外の活動(他で就労し賃金を得る等)をしているのではないか、と判断されてしまう可能性もあります。例えば5万円程度の役員報酬ですと、住居の家賃を支払いそしてその他の生活資金を賄うのはほぼ不可能といえますが、月20万円程度の報酬があれば生活を営むことは可能でしょう。したがって、経営管理ビザを取得した外国人経営者の役員報酬は月額20万円以上程度には設定することが推奨されます。

経営管理ビザを取得後、実際に事業を行っていくと想定通りに事業が伸びないケースも考えられます。事業の経営状況を改善するために役員報酬を削減することも一つの案として考えられるかもしれません。当初は20万円程度に設定していたがそれを減額という方法を取ってしまうとやはり日本での安定的な生活の維持という点で疑問が生じてしまい、ビザの更新時に不利に働いてしまいます。

さらには、役員報酬が低報酬や無報酬であると、役員報酬を抑えなければ事業運営に影響するとも見られてしまい、経営管理ビザの重要な要件である「事業の継続性」にも影響を及ぼします。

ビザ更新が不許可になるのを防ぐためにも、事業の悪化を改善させるために報酬を下げるまたは無報酬にすることはさけたほうがよいでしょう。
 
また管理者として経営管理ビザを取得した場合は、日本人が従事する場合にうける報酬額と同等額以上の報酬であることが必要です。ビザを取得した外国人が従事する社内等で同じ業務に従事する日本人と同等額以上であることが基準になりますが、同レベルの日本人管理職がいないケースなどでは、他の同種企業等で同種業務に従事する日本人と同等額であるかどうかが判断の基準となります。

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

専門分野
外国人ビザ(在留資格)・帰化
主な取扱業務

・外国人在留資格申請、帰化
・対日投資に関する支援業務
 (経営管理ビザ,対日投資コンサルティング等)
・外国人材の雇用、技能実習監理、特定技能登録支援業務

開業以来、国際業務を専門とし、
年間1,000件以上の在留資格・帰化実務に対応

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