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経営管理ビザでアルバイトや就労制限が気になる方へ
以下のような人はいませんか。「経営管理ビザ」「アルバイト」「就労制限」というキーワードが気になる人は、以下のような疑問を持っているのではないでしょうか。
- 経営管理ビザで起業する予定。事業が軌道に乗るまでアルバイトをしたい。
- 経営管理ビザのまま勝手に副業をしたらどうなるか知りたい。
この記事は、上記のような人に役立つ内容となっています。
経営管理ビザのアルバイトや就労制限について解説します
この記事では、以下のようなことを知ることができます。
- 経営管理ビザに就労制限はあるのだろうか。
- 経営管理ビザのまま不法にアルバイトをした場合のペナルティ
経営管理ビザ取得後の副業の可否
(1)問題の所在
経営管理ビザを取得し本格的に日本で起業したとしても、ビジネスというものは軌道に乗るまでが大変。なかなか売上が上がらず、会社の収入はゼロ。月々のランニングコストとして事務所の家賃や自分への報酬、税金や保険などがありますが、売上がないとこれらのコストを支払うことができず、当初の資金がどんどん目減りしていくことになります。
そこで、考えることといえば副業。深夜のファミリーレストランやコンビニエンスストアでアルバイトしたり、警備員として土日にパートタイマーとして働くということをしたくなってきます。
では、経営管理ビザで経営・管理以外のアルバイトをすることは可能なのでしょうか?
(2)結論と理由
経営管理ビザでのアルバイトNG
端的に言うと、経営管理ビザで経営・管理以外のアルバイトをすることはできません。なぜなら、経営管理ビザはあくまでも事業の経営を行う目的で在留を認められた在留資格であるところ、上記副業はそれに含まれないからです。
経営管理ビザで許容される活動
念のため、経営管理ビザで行うことが許されるアクティビティの範囲を的確に確認しておきましょう。出入国管理庁によると、以下の通りです。
本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)
上記活動に含まれないアクティビティは、「資格外活動」となります。
(3)資格外活動許可があればアルバイトOK?
「資格外活動」といえば、次のようなことが想起されます。つまり、法律上「資格外活動申請」をして許可を受ければ、自分が持っている在留資格の活動範囲以外のアクティビティも行うことができるというものです。
そうだとすると、経営管理ビザであってもこの資格外活動許可を受ければアルバイトをすることが許されるようになるのではないかとも考えられます。確かに法律上は可能です。しかし、経営管理ビザで起業した人が資格外活動許可の申請をしたとしても、実務上許可されません。よって、やはりアルバイトをすることは事実上不可能です。
不法にアルバイトをしたらどうなるか?
あくまでも仮定の話ですが、もし経営管理ビザでこっそりアルバイトをしたらどうなるのでしょうか。
この場合、まずアルバイト先から税務署や労働局へ報告したデータや入管の調査により当局に知られてしまう可能性があります。そうすると、経営管理ビザの観点からリスクがあります。具体的には、資格外活動違反とみなされ、今後の経営管理ビザの更新をしてもらえないおそれがあります。
さらに、アルバイトにいそしむあまり経営管理ビザの活動である経営活動が3ヵ月間ストップしてしまうと、経営管理ビザが取り消されることもあります。そして最悪の場合、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処せられる可能性もあります。
最後に
この記事のエッセンスは、以下の通りです。
- 経営管理ビザで経営・管理以外のアルバイトをすることは不可能。
- 資格外活動許可も実務上認められない。
- 経営管理ビザでこっそりアルバイトをした場合、最悪の場合処罰されかねない。