経営・管理ビザとは
経営・管理ビザとは、事業の運営等をすることを目的として日本に在留する外国人が取得するビザを言います。
近年、日本の不動産の市場の安定性や利回りの良さ、外国人の不動産取得に特に規制がないことなどに注目して、日本の不動産を取得する外国人が増加傾向にあります。
日本に不動産を所有している外国人の方の中には「不動産投資によって経営・管理ビザを取得できないか?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、不動産投資で経営・管理ビザを取得することは可能です。
しかし、不動産を所有している「だけ」では経営・管理ビザは取得できません。
このページでは不動産投資で経営・管理ビザを取得する方法について解説します。
経営・管理ビザを取得するための要件・条件
経営・管理ビザを取得するための要件・条件を簡単にまとめると下記の通りとなります。
- 日本で行う活動が「事業の運営」であること
- 事業が法令を遵守した内容であること
- 事業が安定・継続的であると認められること
- 事業運営のための事業所が日本に存在すること
- 500万円以上の出資など事業規模が一定以上あること
不動産投資で経営・管理ビザを取得する場合には①~③が特に問題となるため、以下で解説します。
日本で行う活動が「事業の運営」であること
かつての「投資・管理ビザ」
一部に、日本に投資用の不動産を持っていれば、経営・管理ビザを取得できると勘違いしている人もいます。
実際に「日本の不動産を購入したので投資ビザを取得したい」という問合せを受けることもあります。
これは「経営・管理ビザ」のかつての名称が「投資・管理ビザ」だったことに由来する勘違いかと思われます。ここでいう「投資」とは不動産への投資ではなく、事業への投資を意味しています。
単に投資用の不動産を取得するだけでは上記①を満たしません。
不動産投資で経営・管理ビザを取得するには、その不動産投資が「事業の運営」として行われる必要があります。
認められる不動産投資の形態
上記のことから、単に投機目的で不動産を購入するのみでは「事業の運営」とは言えず、経営・管理ビザは取得できません。
所有している不動産で、不動産賃貸業や民泊などを営む場合には「事業の運営」として認められる可能性が出てきます。
ただし、不動産賃貸業や民泊を営んでいるが、自分は不動産を所有しているだけでその他のことは全て管理会社に任せているというような事業形態は、経営・管理ビザの「事業の運営」としては認められないので注意が必要です。
また、不動産賃貸業や民泊を営む場合でも、海外からリモートで経営を行い日本には在留しない場合は、経営・管理ビザを取得することはできません。先に述べた通り、このビザは事業の運営するために日本に在留する外国人のために認められるビザだからです。
事業が法令を遵守した内容であること
不動産賃貸業や民泊を営む上で必要な許認可を得ている必要があります。
また、建築基準法などその他満たすべき法令がある場合にはそれも遵守していなければなりません。
事業が安定・継続的であると認められること
不動産の賃料収益で全ての事業経費を会計上まかなえている必要があります。
不動産の管理費、役員報酬、④の事業所の賃料など
したがって、家賃収入が月数万円程度という場合、事業の安定・継続性が認められない可能性があります。
また、安定・継続的な事業運営がなされることを詳細に説明した事業計画書などを作成して入管に提出する必要もあります。
終わりに
このページでは不動産投資で経営・管理ビザを取得する方法について解説しました。
経営・管理ビザは要件・条件が厳しく、一般的に他のビザと比較して取得が難しいビザです。
不動産投資で経営・管理ビザを取得したいと考えている方は、経験豊富な専門家に一度相談することをおすすめします。