配偶者ビザに関する解説コラム
配偶者ビザ許可の3大条件とは|不許可を避けるために知るべき審査ポイント
- 2026年04月30日

📚 配偶者ビザを自分で申請するシリーズ(全5回)
第1回 |配偶者ビザ許可の3大条件と申請パターン
▶ 第2回 |配偶者ビザの必要書類【本記事】
第3回 |配偶者ビザ申請書の書き方
第4回 |質問書の書き方(審査官に響く例文付き)
第5回 |申請当日の流れと結果が出るまでの完全ガイド
日本人と国際結婚をされた方、またはこれから結婚予定の方が、日本で一緒に暮らすために必要となるのが「配偶者ビザ」(正式には在留資格「日本人の配偶者等」)です。 しかし、この配偶者ビザの申請は、数ある在留資格の中でも特に提出書類が多く、審査も厳格であることで知られています。 「どの書類を、いつ、どこで取得すればいいの?」「海外から呼ぶ場合と、日本国内で変更する場合では、必要な書類が違う?」「質問書や理由書って、どうやって書けばいい?」このような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 配偶者ビザの申請は、「いかに正確な書類を準備し、結婚の信ぴょう性と日本での安定した生活基盤を証明できるか」が全てと言っても過言ではありません。
この記事では、配偶者ビザ申請の必要書類について、累計1,000件以上の申請を手がけた行政書士の実務目線から、以下の点を網羅的に徹底解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、配偶者ビザ申請の必要書類に関する疑問が解消され、自信を持って準備を進められるようになります。
目次
一般的に「配偶者ビザ」と呼ばれますが、法律上の正式名称は在留資格「日本人の配偶者等」です。
これは、日本人の配偶者(夫または妻)、日本人の実子、または日本人の特別養子として日本に在留するための資格です。
このビザを取得すると、就労活動に制限がなくなります(いわゆる「就労制限なし」)。単純労働を含むどのような仕事にも就くことができ、日本人と同様に自由に働くことが可能です。
配偶者ビザの基礎知識(取得条件や審査ポイント)については、本シリーズ第1回「配偶者ビザ許可の3大条件とは」で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
配偶者ビザの申請は、申請人(外国人の方)が今どこにいるかによって、大きく2つのパターンに分かれます。パターンによって申請の種類と必要書類が異なるため、まずはご自身がどちらに該当するかを明確にしましょう。
外国人配偶者が現在海外に住んでおり、これから日本に呼んで一緒に生活を始める場合です。
この場合、まず日本国内の出入国在留管理局(入管)に「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請を行います。
この証明書が交付されたら、それを海外にいる配偶者に送り、現地の日本大使館・領事館で「査証(ビザ)」の発給を受け、日本へ入国するという流れになります。
外国人配偶者が、すでに「留学」「技術・人文知識・国際業務(就労ビザ)」などの別の在留資格で日本に滞在しており、結婚を機に「日本人の配偶者等」の在留資格に変更する場合です。
配偶者ビザの基本となる必要書類は、出入国在留管理庁(入管)の公式ホームページに掲載されています。まず、この公式情報の読み方を押さえておきましょう。

出入国在留管理庁の「日本人の配偶者等」のページが、必要書類の一次情報源です。下記URLをご確認ください。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/spouseorchildofjapanese01.html
入管HPに記載されている必要書類は、あくまでも審査を始めるための「最低条件」を示すものです。実際には、ご夫婦の状況(年齢差、交際期間、収入、過去の在留状況など)によっては、これだけでは結婚の信ぴょう性や生活の安定性を十分に立証できないケースが多くあります。
基本書類を漏れなく揃えた上で、ご自身のケースに応じた「追加書類」で補強することが、許可への近道です。

ここからは、配偶者ビザ申請に必要な書類を具体的に解説します。
「① 申請人(外国人)が準備する書類」と「② 日本人配偶者が準備する書類」に分けてリスト化し、さらに「③ 申請パターン(認定/変更)ごとに追加で必要な書類」をまとめました。

(※「発行から3ヶ月以内」など、特に記載がない場合でも、公的証明書は原則として発行から3ヶ月以内のものを提出してください。)
まずは、申請人である外国人配偶者の方が準備する基本的な書類です。
| 書類名 | 取得場所・作成者 | 備考 |
|---|---|---|
| 1. 在留資格(認定・変更)許可申請書 | 出入国在留管理庁の窓口・HP | 申請の種類(認定/変更)に応じた様式を使用します。 |
| 2. 写真(縦4cm×横3cm) | 申請人本人 | 申請書に貼付。申請前3ヶ月以内に撮影したもの。 |
| 3. 本国の機関から発行された結婚証明書 | 本国の役所など | 原則として原本が必要です。 |
| 4. パスポート(旅券)のコピー | 申請人本人 | 身分事項(顔写真)のページ。 ※変更申請の場合は原本提示が必要。 |
| 5. 在留カード | 申請人本人 | ※変更申請の場合、申請時に原本提示が必要。 |
| 6. 日本語以外の書類の日本語翻訳文 | 翻訳者 | 外国語で作成された書類には、すべて日本語の翻訳文が必要です。翻訳者の氏名・連絡先を明記してください。 |
次に、日本側の配偶者の方が準備する書類です。こちらが非常に多く、審査の核となる部分です。
| 書類名 | 取得場所・作成者 | 備考 |
|---|---|---|
| 7. 戸籍謄本(全部事項証明書) | 日本人の本籍地の市区町村役場 | 【最重要】婚姻事実が記載されているもの。発行から3ヶ月以内。 |
| 8. 質問書 | 出入国在留管理庁のHP / 日本人配偶者 | 【最重要】出会いから結婚に至る経緯などを詳細に記載します。詳細は後述。 |
| 9. 身元保証書 | 出入国在留管理庁のHP / 日本人配偶者 | 日本人配偶者が身元保証人となります。詳細は後述。 |
| 10. 日本人配偶者の住民票 | 日本人の住所地の市区町村役場 | 世帯全員の記載があり、マイナンバーが省略されたもの。 |
| 11. 住民税の課税(または非課税)証明書 | 住所地の市区町村役場 | 直近1年分。総所得・課税額が記載されたもの。 |
| 12. 住民税の納税証明書 | 住所地の市区町村役場 | 直近1年分。未納がないことを証明します。 |
| 13. スナップ写真(数枚) | 申請人・日本人配偶者 | 【重要】夫婦で写っており、顔が鮮明にわかるもの。交際の信ぴょう性を補強します。 |
上記11・12の課税/納税証明書が取得できない場合(例:海外から帰国直後で日本に住民登録がない、転職直後など)は、以下の代替書類を提出します。
上記の共通書類に加え、申請パターンごとに追加で必要な(または不要になる)書類があります。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 返信用封筒 | 認定証明書(COE)を郵送してもらうため。簡易書留用の切手を貼付。 ※オンライン申請の場合は不要。 |
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 申請人のパスポート(旅券)原本 | 申請時に窓口で提示します。 |
| 申請人の在留カード原本 | 申請時に窓口で提示します。 |
| 申請人の収入・納税証明書 | 申請人本人(外国人)も日本で働いている場合、日本人配偶者と同様に課税証明書・納税証明書を提出します。世帯の生計能力を示すために重要です。 |
ここまでが入管HPに記載されている「基本書類」と、申請パターン別の追加書類です。しかし冒頭でお伝えしたとおり、これだけでは不十分なケースが少なくありません。
ここからは、累計1,000件以上の申請を手がけてきた専門家の視点から、「こういうケースには、この書類を追加で出して許可率を高めましょう」という、より実践的な内容をご紹介します。

年齢差が大きいご夫婦、交際期間が短いご夫婦、出会いがマッチングアプリやSNSなどのインターネット経由のご夫婦などは、入管から「本当に恋愛結婚ですか?」と慎重に見られる傾向があります。
その不安を払拭するために、二人の関係性を証明する客観的な資料を追加で提出しましょう。
審査官は、お二人のことを全く知りません。書面と証拠だけが頼りです。だからこそ、二人がどのように出会い、どのように愛を育み、結婚に至ったのかを、第三者にもストーリーとして伝わるように資料を組み立てることが重要です。
日本人配偶者の方の年収が低い(目安として250〜300万円以下)、転職したばかりで証明書が1年分出ない、といったケースです。
この場合は、「収入は少ないかもしれないけれど、ちゃんと生活できます」という点を補強する書類を準備します。
審査の本質は「日本で安定した生活を送れるか」です。年収という単一の数字だけでなく、貯蓄(資産)、住居形態、家族の支援、将来の収入見通しなど、多角的に「生計維持能力」を立証していきましょう。
これは少しデリケートなケースです。例えば、前の在留資格(留学や就労など)でルール違反をしてしまった場合です。オーバーワーク(資格外活動の時間制限超過)や、過去の犯罪歴などがこれに該当します。
この場合、最も重要なのは「正直に申告し、深く反省している」という姿勢を示すことです。絶対に隠してはいけません。
入管は申請人の在留履歴をすべて保有しています。隠してもほぼ確実に発覚し、「虚偽申請」として更に不利になります。むしろ自ら正直に申告し、深い反省と再発防止策を示すことで、許可の道を探ります。このケースは独力での対応が特に難しいため、専門家へのご相談を強くおすすめします。
「自分のケースはどのパターンに当てはまるのか」「どの追加書類をどこまで揃えれば良いのか」と判断に迷われる方は、配偶者ビザ申請を専門に手がける当事務所にご相談ください。累計10,000件超の相談実績から、お客様のケースに最適な書類の組み立てをご提案します。初回相談は無料です。
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無料相談予約フォームへ必要書類リストを見て「こんなにたくさん?」と驚かれたかもしれません。
特に、以下の4つの書類は、入管が「結婚の信ぴょう性」と「日本での経済的安定性」を判断するために、非常に重視する書類です。作成・準備には細心の注意を払いましょう。
配偶者ビザ申請の「核」となる書類です。夫婦の出会いから結婚に至るまでの経緯、交際内容、お互いの家族構成、使用言語などを詳細に記載します。

入管は、この質問書の内容を見て「偽装結婚ではないか?」を厳しくチェックします。
「いつ(年月日)」「どこで」「誰と」「何を」したかを具体的に書きます。
| 記載例 | |
|---|---|
| 悪い例 | 「SNSで知り合い、何度か会い、結婚しました。」 |
| 良い例 | 「2023年5月頃、語学学習アプリ○○で知り合い、毎日メッセージを交換。2023年10月に私が(国名)へ渡航し、○○市で初めて会いました。その後、2024年1月に彼が日本へ来日し、私の両親に挨拶。2024年3月にプロポーズし、両家の承諾を得て5月に(国名)で婚姻手続きを行いました。」 |
申請書や他の提出書類(戸籍謄本など)と、日付や内容に矛盾がないように細心の注意を払ってください。
事実と異なることを書くと、虚偽申請として不許可になるリスクが非常に高まります。
交際期間が短い、年の差が大きいなど、不利に思える事情があっても、それを補う説明(例:頻繁な連絡、家族ぐるみの交流など)を正直に記載しましょう。
LINEの履歴、通話履歴、メール、国際郵便の記録など、日常的にコミュニケーションを取っていた証拠(スクリーンショットなど)を添付すると、信ぴょう性が格段に上がります。
質問書のさらに詳しい書き方は、本シリーズ第4回「審査官に響く質問書の書き方」で例文付きで解説しています。
これは、申請人(外国人)が日本で生活するにあたり、法令遵守や生活費、帰国費用などを日本人配偶者が保証する、という趣旨の書類です。
配偶者ビザの審査では、「日本で安定した結婚生活を送れるだけの経済力があるか」が厳しく見られます。
質問書の内容を裏付ける「証拠」として、スナップ写真やSNSの履歴は非常に重要です。
夫婦2人が写っているもの。結婚式の写真、両家の家族と一緒の写真、旅行先での写真など、多様なシチュエーションのものを10枚ほど(多い場合はA4用紙にまとめても良い)選びます。
入管HPには「2〜3枚」の記載ですが、結婚の信ぴょう性を高めるため、10枚ほど選定して提出することをおすすめします。
LINE、WhatsApp、WeChatなどのトーク履歴のスクリーンショット、国際電話の通話履歴などを一部抜粋して提出します。日常的な交流があったことを示します。
必要書類が分かったところで、申請全体の流れも確認しておきましょう。
まず大前提として、日本と相手国の双方で法的な婚姻手続きが完了している必要があります。これが完了しないと、日本の戸籍謄本に婚姻事実が記載されず、申請ができません。(手続きの順番は国によって異なります)
上記で解説した必要書類リストに基づき、書類を集め、作成します。市区町村役場や法務局、勤務先など、様々な場所から書類を取得する必要があるため、計画的に進めましょう。
特に海外(本国)から取り寄せる書類は時間がかかるため注意が必要です。
書類が全て揃ったら、管轄の入管へ申請します。
入管の窓口は非常に混雑することが多いため、時間に余裕を持って行きましょう。
申請後、入管による審査が行われます。審査期間は申請内容や時期によって異なりますが、目安は以下のとおりです。
審査の過程で、書類の不備や内容確認のため、追加の書類提出を求められたり、電話がかかってきたりすることがあります。
許可されると「在留資格認定証明書(COE)」が郵送で届きます。不許可の場合は、不許可通知書が届きます。
※オンライン申請の場合、在留資格認定証明書の電子交付を選択できます。
許可されるとハガキ(通知書)が届きます。不許可の場合は、不許可通知書が届きます。
※オンライン申請の場合、許可・不許可の通知はメールにて届きます。
(許可後の手続き:認定の場合はCOEを海外へ送り、現地でビザ発給→入国。変更の場合は入管で新しい在留カードを受け取ります。)
申請当日の詳しい流れと結果通知後の手続きは、本シリーズ第5回「申請当日の流れと結果が出るまで完全ガイド」で詳しく解説しています。
万全の準備をしても、不許可になってしまうケースは存在します。主な理由は以下の3つです。これを理解し、対策を講じることが許可への近道です。
入管が最も警戒しているのが偽装結婚です。以下のようなケースは、特に厳しく審査されます。
日本で夫婦が安定して生活していけないと判断された場合です。
単純なミスですが、意外と多い不許可理由です。
収入が低いことだけを理由に、直ちに不許可になるわけではありません。重要なのは「夫婦で安定して生活できるか」です。
対策として、①預貯金通帳のコピーを提出する、②(すでに日本にいる場合)外国人配偶者の収入も合算して申告する、③親族(例:両親)に身元保証人になってもらう、④今後の生計計画を「理由書」で詳細に説明する、などの方法が考えられます。
交際期間が短い場合は、「偽装結婚」を疑われやすくなります。
「質問書」や「理由書」で、短期間で結婚に至った合理的で具体的な理由(例:遠距離だったため頻繁に会えず、結婚を決意して一緒に住むことにした等)を説明する必要があります。
また、毎日のLINEやビデオ通話の履歴、お互いの両親に紹介した際の写真など、「交際の密度」を示す証拠を豊富に提出することが極めて重要です。
ケースバイケースですが、目安として「在留資格認定証明書交付申請(海外から呼ぶ)」は1〜3ヶ月、「在留資格変更許可申請(国内で変更)」は1ヶ月〜2ヶ月程度です。
ただし、審査が難航する場合(交際経緯が複雑な場合など)は、これ以上かかることもあります。
主な取得場所は以下のとおりです。
配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の申請は、必要書類が非常に多く、審査も厳格です。
しかし、不許可理由の多くは「準備不足」や「説明不足」に起因します。重要なのは、以下の3点です。
特に「質問書」や「理由書」では、入管の審査官に「この二人は本当に愛し合って結婚しており、日本で安定した生活が送れる」ということを、客観的な証拠をもって説得力強く説明することが重要です。
この記事の書類リストを参考に、一つひとつ丁寧に準備を進めてください。
もし、ご自身のケース(収入面、交際経緯など)に不安がある場合や、書類作成が複雑で手に負えないと感じる場合は、手続きのミスで不許可のリスクを冒す前に、ビザ申請を専門とする行政書士に相談することも賢明な選択肢です。
お二人の日本での新しい生活が、スムーズにスタートできることを心よりお祈りしております。
「配偶者ビザを自分で申請する」シリーズ全5回で、申請の全体像を体系的に解説しています。あわせてお読みください。
本記事の内容は、行政書士法人タッチ代表の湯田が動画でも詳しく解説しています。文字よりも動画で学びたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
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