目次
技術・人文知識・国際業務ビザから経営管理ビザへの変更について以下のように考えている方へ
- 技術・人文知識・国際業務ビザから経営管理ビザへ変更したい。
- 技人国ビザを持っているが、ビザの期間がまだ残っているから会社を経営する予定。
- 技人国ビザにより会社に雇われているが、今後起業する予定。今の会社を辞めてから起業の準備をすればいいだろう。
- これから起業する予定だが、起業の準備をするのは、技人国ビザを経営管理ビザに変更した後にするつもり。
この記事は、上記のように考えている人にとって役立つ情報が掲載されています。
この記事で経営管理ビザへの変更知ることができること
この記事では、以下のようなポイントを知ることができます。
- 技人国ビザと経営管理ビザとの違い
- 技人国ビザを持っている人が起業する方法
- 会社を辞めて技人国ビザのまま会社を経営することの可否
- 会社を辞めて技人国ビザのまま起業準備活動をすることの可否
- 経営管理ビザに変更した後に起業準備をすることの可否
- 技人国ビザから経営管理ビザへの変更のフロー
経営管理ビザへ変更についての概要
(1)問題点
日本で企業と契約して業務をするために必要なものは、「技術・人文知識・国際業務」ビザです。頭文字を取って「技人国ビザ」と呼ばれることもあります。
では、今、技人国ビザを持っていますが、今度起業する予定です。その場合、ビザの手続きについて、何をどうすればいいのでしょうか。それとも何もしなくてもいいのでしょうか。この点について、以下説明します。ただ、その前に、全体に関わることなので、まず関連するビザの内容を確認する必要があります。
(2)どのようなアクティビティをするビザか
ここで関連するビザは、技人国ビザと経営管理ビザです。
技人国ビザはどのような在留資格かというと、企業と契約をして業務を行うことを許可されたビザです。この点は、後々重要なポイントになってきます。
つぎに、経営管理ビザは、会社の経営や役員として経営又は管理業務を行うというアクティビティが許されるビザです。要するに、日本で起業するような場合に必要になるものです。
(3)経営管理ビザへの変更が必要
経営管理ビザへの変更が必要な理由
そしていよいよ上記(1)についてです。技人国ビザを取得している人が会社を経営する場合、経営管理ビザに変更をしなければなりません。なぜなら、既述したように、技人国ビザにより行うことができるアクティビティはあくまでも企業に所属して働くというものであるところ、「経営」という活動は、それに含まれない以上資格外活動となってしまうからです。
技人国ビザの人が昇進等により経営者になった場合
ちなみに、今までは企業のスタッフとして技術・人文知識・国際業務の在留資格で在留していたが、昇進等によりその企業の経営者や管理者となったときは、経営管理ビザへの変更が必要なのでしょうか。この点、本来ならば直ちに経営管理ビザへの変更が必要であると考えられています。その理由は、経営管理ビザへの変更が必要な理由と同様、違法な資格外活動となりかねないからです。
以上に関連して、多くの人が勘違いしミスをしてしまいがちないくつかのポイントがあります。よって、ぜひここから先も読んでおいたほうがいいです。
会社を辞めて技人国ビザのまま会社を経営する
(1)問題提起
では、ありがちなうっかりポイントをいくつか指摘します。すべてに共通することは、とにかくタイミングが大切ということ。やりたいことをやりたいタイミングですることができるとは限らないのです。どういうことでしょうか。
(2)解説と結論
会社を辞めて起業する際、技人国ビザによる在留期間が1~2年残っているとします。そうすると、ビザの変更をしないままその期間に会社を経営しようとする人がいます。しかし、ビザを変更しないまま経営を行ってしまうと資格外活動とみなされ不法就労として摘発される要因になりかねません。
この場合、仮に経営管理ビザに変更申請しても不許可になりますし、その時点で技人国ビザも取り消されるおそれがあります。そうするとせっかく会社設立や事務所を用意したのにそのコストが無駄になってしまいます。
したがって、ビザを変更しないまま会社の経営をすることは避けるべきです。
会社を辞めて技人国ビザのまま起業準備活動をする
(1)問題提起
では、つぎに経営ではなく起業準備のための活動をすることはどうでしょうか。例えば、会社の設立や事務所の確保等の活動です。
(2)解説と結論
たしかに、会社を辞めて技人国ビザのまま起業準備活動をすることは可能です。しかし、会社を辞めてからビザを変更するまでの期間、技人国ビザの活動(企業と契約をして業務を行う)を行わないことになってしまいます。実は、技人国ビザというのは、3ヵ月以上の活動期間がない場合、在留資格が取り消される可能性があるものです。そうだとすると、上記空白期間の長さによっては、技人国ビザの存続にリスクが生じるということになります。
経営管理ビザに変更した後に起業準備をする
(1)やはり不許可
会社を辞めて技人国ビザのまま起業準備活動をすることに不都合性があるというのであれば、経営管理ビザに変更した後に起業準備をするのはどうでしょうか。しかし、残念ながらこの場合経営管理ビザは許可されません。
要するに経営管理ビザを申請するタイミングは、これからやろうとするビジネスを現実にスタートできる状態に整えてからということです。
(2)小括
上記を踏まえると、必要な手続きを踏まないまま好きなタイミングで経営やその準備をすることはできないというふうに結論づけることができます。では、どういうタイミングで何をどうすればいいのかが問題となってきます。そこで、以下、具体的に説明します。
技人国ビザから経営管理ビザへの変更のフロー
(1)行動上の基本方針
以上で見てきたように、技人国ビザから経営管理ビザを申請するまでのプロセスにおいて、やるべきことをしかるべきタイミングで行うべきだということが分かりました。そうです。行き当たりばったりではダメです。換言すると、事前に綿密に計画を立てた上で一つ一つのタスクを処理するということになります。
では、いつ、どのようなタスクをどのような順番で処理していけばいいのでしょうか。以下、おおまかな流れを示します。
(2)全体の流れ
以下が時系列にそった主なイベントの流れです。
【技人国ビザの在留期間】
① 会社を設立する
↓
② 許認可を取得(必要な場合)
↓
③ 経営管理ビザへの変更申請
↓ 許可が下りたら
【経営管理ビザの在留期間】
④ 経営等スタート!
おわりに
この記事によって、会社勤めから経営者になるために、ビザの変更をどのようにして進めていけばよいか大まかな流れが把握できたと思います。一つ一つのタスクがある程度の時間を要するものであるため、繰り返しになりますが、事前のスケジューリングが肝要となります。
よって、再度この記事のエッセンスをまとめておきます。
- 技人国ビザは企業と契約をして業務を行うことを許可されたビザであるのに対し、経営管理ビザは、会社の経営等を行うためのビザ。
- 技人国ビザを取得している人が起業し会社を経営等する場合、技人国ビザから経営管理ビザに変更する必要がある。
- 会社を辞めて技人国ビザのまま会社を経営するのは、NG。
- 会社を辞めて技人国ビザのまま起業準備活動をする場合、ケースによっては技人国ビザが取り消される可能性がある。
- 経営管理ビザに変更した後に起業準備をすることは、NG。
- 技人国ビザから経営管理ビザを申請するまでのプロセスにおいて、やるべきことをしかるべきタイミングで行うべき。申請計画を綿密に立てる。