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配偶者ビザの質問書の書き方|審査官に響く「結婚の物語」の伝え方【例文付き】

配偶者ビザの質問書の書き方|審査官に響く「結婚の物語」の伝え方【例文付き】

【行政書士法人タッチ監修】配偶者ビザ申請を自分で行うシリーズ 第4回(全5回)

📚 配偶者ビザを自分で申請するシリーズ(全5回)
▶ 第4回|質問書の書き方(審査官に響く例文付き)【本記事】
第5回|申請当日の流れと結果が出るまでの完全ガイド

配偶者ビザ申請の数ある提出書類の中で、結婚の許否を分ける最重要書類が「質問書」です。

第3回で解説した申請書が、いわば二人の履歴書だとすれば、この質問書は二人の恋愛の日誌です。事実を淡々と並べるのではなく、二人の結婚が真実であることを、入管の審査官にストーリーで伝える書類なのです。

「何を書けばいいか全く分からない」「文章を書くのが苦手」という方も多いですが、ご安心ください。

この記事では、累計1,000件以上の配偶者ビザ申請を手がけてきた行政書士の実務目線から、入管HPで公開されている実際の質問書様式を見ながら、審査官がどこを見ているのか・どう書けば二人の気持ちが伝わるのかを、本物の許可事例から抜粋した例文を交えて徹底解説します。

本記事の対象範囲

本記事は「在留資格認定証明書交付申請」「在留資格変更許可申請」のいずれにも対応しています。質問書は両申請で共通の様式(認定・変更用)を使用するため、本記事の解説をそのまま使えます。

目次

なぜ質問書が「最重要」なのか?

配偶者ビザ申請の書類の中で、なぜ質問書がそこまで重要なのか。理由は一つです。

入管の審査官は、あなた方夫婦のことを何も知りません。

二人がどこで出会い、どんな会話をして惹かれ合ったのか、なぜこの人と結婚しようと決めたのか、パートナーへの深い愛情も大切な思い出も、審査官は何一つ知らない第三者です。

その何も知らない第三者が、たった数枚の紙だけで、あなた方の「結婚の信ぴょう性」を判断するのです。

正真正銘、心から愛し合って結婚したのに、質問書の書き方が不十分だったというたったそれだけの理由で「不許可」と判断されてしまったら……。本当に悔しいことです。

【プロの視点】申請書 vs 質問書 ── 役割の違い
書類 例えるなら 何を伝える書類か
申請書(第3回) 履歴書 国籍・氏名・住所など、二人の客観的事実
質問書(本記事) 恋愛の日誌 出会いから結婚までのストーリーと感情

申請書は「事実の申告」、質問書は「結婚の信ぴょう性の立証」── 役割が全く異なる書類です。

申請書と質問書の役割対比

だからこそ、この質問書こそが、配偶者ビザ申請の山場となります。本記事の内容をマスターして、審査官がしっかり納得できる質問書を仕上げていきましょう。

質問書を入手する|入管HPからのダウンロード手順

質問書は、出入国在留管理庁の公式ホームページから無料でダウンロードできます。

① 入管の公式ページにアクセス

出入国在留管理庁の「日本人の配偶者等」のページにアクセスします。

② 「質問書」をダウンロード

ページ内の「質問書」のリンクからPDF版をダウンロードします。入管HPで公式に配布されているのはPDF版のみで、印刷して手書きで記入することが前提となっています。

【実務ポイント】当法人の独自版「補助プロンプト入りWord版」

質問書の最重要項目である「結婚に至った経緯」は、白紙の枠に向き合うと「何から書けばいいか分からない」という状態に陥りがちです。

行政書士法人タッチでは、ご相談者の方にスムーズに記入いただけるよう、入管の様式をWord化したうえで各設問に赤字の補助プロンプト(記入のヒント)を入れた独自バージョンをご用意しています。特に「結婚に至った経緯」では、4つの観点(① 出会い ② 交際開始 ③ 結婚決意・プロポーズ ④ 結婚後の生活)に分けて記入できるようガイドが入っており、赤字に対する回答を書いていけば自然と審査官が読みやすい構成の質問書が完成する設計です。

当法人の補助プロンプト入りWord版をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

質問書-2-結婚に至った経緯(いきさつ)

記入前の3つの注意点

質問書を書き始める前に、必ず押さえておきたい3つの基本ルールがあります。

① 真実を書く ── 虚偽記載は罪に問われる

質問書の冒頭には次の注意書きがあります。

質問書冒頭の注意書き

事実に反する記入をしたことが判明した場合には申請人に係る審査上不利益な扱いを受ける場合や罪に問われる場合がありますので、提出前に記載内容に間違いがないことを確認し、ご自身で署名してください。

虚偽の申請を行った場合、不許可になるだけでなく、罪に問われる場合があります(出入国管理及び難民認定法第74条の2 ほか)。心当たりのある不利な情報があっても、隠さず正直に記載してください。隠蔽は不許可の最大要因の一つです。

② 別紙(理由書)に書くのが推奨

質問書の様式には記入欄が設けられていますが、最重要項目である「結婚に至った経緯」は、用紙の枠内では到底書ききれません。様式の注意書きにも「行数が足りないときは、適宜の用紙を使用し記載していただいて結構です」と明記されています。

実務では、A4用紙1〜2枚程度の「理由書」を別紙として作成し、質問書に添付するのが標準的な書き方です。本記事でも、別紙(理由書)を作成する前提で解説していきます。

③ 質問書は原則、日本人配偶者が記載する

質問書の表紙(冒頭)を見ると、「申請人(相手の方)」「配偶者(あなた)」という表記があります。これは「あなた」=日本人配偶者、「申請人(相手の方)」=外国人配偶者を指しており、質問書は日本人配偶者(=あなた)が記載することを前提とした書類です。署名欄も最終ページの「署名(配偶者)」と明記されており、日本人配偶者が自筆で署名します。

ただし、日本人配偶者が一人で完結させるのではなく、お互いの記憶を照らし合わせながら「あの時こんなことがあったね」と思い出を語り合うようにして書くことが大切です。二人で楽しみながら作成することで、内容も自然と豊かになり、審査官に伝わるストーリーが書けるようになります。

【注意】署名は日本人配偶者(配偶者欄)が自筆で

質問書の最終ページの署名欄は「署名(配偶者)」と明記されており、日本人配偶者が自筆で署名します。Word等で内容を入力した場合も、必ず印刷して日本人配偶者本人が署名してください。

質問書の項目別解説

質問書は全12問で構成されています。ここからは各設問の書き方を、本物の許可事例から抜粋した例文を交えて解説していきます。

Q1|お互いの身分事項

質問書の最初は、申請人(外国人配偶者)と配偶者(日本人配偶者)の基本情報を記入する欄です。

質問書-1-身分事項

申請人(外国人配偶者)の情報

国籍・氏名・性別を記入します。氏名はパスポートの表記に合わせ、Family name → Given name の順で記入します。

配偶者(日本人配偶者)の情報

氏名・国籍・住所・電話番号・同居者の有無・自宅情報・職場情報を記入します。

  • 電話番号: 自宅の固定電話がない場合は「なし」、携帯電話番号のみで構いません
  • 同居者の有無: 認定申請(海外から呼び寄せ)の場合は「無」、変更申請の場合は「有」(=外国人配偶者と同居中)
  • 自宅情報: 自己所有・借家のいずれかにチェック、家賃と間取りを記入
【重要】変更申請では同居が必須前提

すでに外国人配偶者が日本に在留中で配偶者ビザに変更する変更申請の場合、同居者欄は必ず「有」にチェックしてください。婚姻関係にあるのに別居している場合、夫婦としての活動を行っていないと判断され、不許可の重大要因になります。

認定申請(海外から呼び寄せ)の場合は、外国人配偶者がまだ日本国外におり物理的に同居できないため「無」で問題ありません。

【Q&A】住居の広さは審査に影響しますか?

A. 二人で住むのに合理的な広さであれば問題ありません。例えば夫婦2人暮らしで1K・20㎡程度であれば、それで審査は通ります。

ただし、子どもが3人いて家族5人で1K・20㎡に住んでいる、というケースだと「客観的に見てそこに住めるのか?」というツッコミが入る可能性があります。要は、住む人数に対して合理的な広さかどうかが問われます。

配偶者(日本人配偶者)の職場情報

会社名・職務内容・所在地・電話番号・就職年月日を記入します。

【整合性チェック】申請書との一致

ここに記入する情報は、第3回で解説した申請書「申請人等作成用3 §26 扶養者欄」の情報と完全に一致させてください。会社名・所在地・職務内容に微妙な表記揺れがあるだけでも、審査官に「不正確な申告」と受け取られるリスクがあります。

Q2(1)|結婚に至った経緯(いきさつ) ★最重要項目★

ここが質問書の中で最も重要な項目です。配偶者ビザ申請の許否を分けると言っても過言ではない、本記事の核心パートです。

質問書-2-結婚に至った経緯(いきさつ)

設問の内容

質問書には次のように指示されています。

① 初めて会った時期・場所

② 初めて会ってから(または紹介された時から)結婚届を出されるまでのいきさつを、年月日を示しながらできるだけ詳しく記載

「初めての出会いから結婚までのいきさつ」と言われると漠然としすぎていて、何から書けばいいか分からなくなります。そこで実務では、4つの観点に分解して書くのが定石です。

行政書士法人タッチの「4観点フレームワーク」

4観点フレームワーク

経緯の物語を、次の4つの局面に分解して書いていきます。

観点 書く内容
① 出会い どこで・どういった経緯で出会ったか / 初めて会った時の印象・エピソード
② 交際開始 交際を開始することになった年月日・場所 / 交際に至るまでの経緯・気持ちの変化
③ 結婚決意・プロポーズ 交際から結婚に至るまでの経緯 / プロポーズの年月日・言葉・思い出のエピソード
④ 結婚後の生活 結婚してから現在までの交流 / 両親に結婚を報告した時の反応

当法人の補助プロンプト入りWord版には、上記4観点のヒントが赤字で予め入っています。赤字のヒントに対する回答として書いていけば、自然とこの構成になるように設計されています。

【プロの視点】「事実の羅列」では結婚の信ぴょう性は伝わらない

同じ「出会いから結婚まで」を書いても、書き方一つで審査官に伝わる印象は全く違います。

❌ NG例(事実の羅列)
2024年1月にマッチングアプリで知り合いました。毎日連絡を取り、3月に初めて会いました。5月にプロポーズして、7月に結婚しました。

これではただの事実の羅列で、二人の気持ちも関係性のリアリティも全く伝わりません。

⭕ OK例(具体的なエピソード+感情)
2024年1月、語学学習アプリで知り合った彼女と毎日メッセージを交換するうち、彼女の好きな日本のアニメの話で意気投合しました。3月、私が彼女の住むニューヨークへ会いに行き、空港で初めて会った時、写真で見るよりずっと素敵な笑顔で迎えてくれて、緊張で言葉が出なかったのを覚えています。

具体的なエピソード(出来事の詳細)とその時の感情(嬉しかった・緊張した・惹かれた)を必ずセットで書く。これが審査官に二人の関係性を伝える鉄則です。

OK例 vs NG例

各観点の書き方と例文

ここからは、本物の許可事例から抜粋した例文(個人情報は伏字)を交えながら、4観点それぞれの書き方を解説していきます。

① 出会い ── 「いつ・どこで・どう出会ったか」+ 第一印象のエピソード

最初に出会った年月日・場所・経緯を具体的に書きます。

そして、ここからが審査官に響かせる肝心要のポイントです。初めて会った時の具体的なエピソードを一つ盛り込んでください。「お互いがお互いをどう感じたか」(第一印象)を、双方向で描写することで、客観的に見て信ぴょう性のある関係性が浮かび上がります。

【許可事例からの抜粋】出会いのエピソード

私が妻と初めて出会ったのは2023年〇月〇日です。観光で来日していた妻と、マッチングアプリを通じて知り合いました。すぐに意気投合し、〇月〇日に渋谷のタイ料理屋で初めて会うことになりました。

当日、少し遅れて息を切らせながら到着した妻が恥ずかしそうに「遅れてごめんなさい」と言った瞬間、私はそのピュアで誠実な人柄に強く惹かれたことを覚えています。食事後は近くのレコードバーに移動し、音楽の話題で盛り上がりました。お互いに音楽好きであることが分かり、共通の趣味を通じて一気に距離が縮まりました。

会話が弾む中で、妻が卓上のキャンドルを倒しそうになった際、私が咄嗟に妻をかばって火傷はないかと手を取った出来事があり、妻も私のことをとても親切な人だと感じたそうです。

この抜粋例の優れた点は3つあります:

  • 具体的すぎる固有名詞(マッチングアプリ・渋谷のタイ料理屋・レコードバー)で「実際にそこにいた感」が出る
  • 第一印象が双方向(夫が妻に抱いた印象 + 妻が夫に抱いた印象)で書かれている
  • キャンドルのエピソードという、二人にしか書けない固有のエピソードが入っている
【Q&A】マッチングアプリで知り合った場合、不利になりますか?

A. 全くそんなことはありません。日本人同士の結婚でもマッチングアプリで出会って結婚に至るケースは多数あり、日本人と外国人の結婚でも非常に多いパターンです。それを理由に不利益に働くことはないので、正直にそのまま記載して問題ありません。

② 交際開始 ── 「なぜ交際に至ったか」気持ちの変化を描写

次に、初めて会ってから交際が始まるまでの経緯を書きます。

ここで重要なのは、交際開始の年月日を明確にすること、そして「なぜ交際に至ったのか」気持ちの変化を具体的に描写することです。

【許可事例からの抜粋】交際開始の経緯

恋人としての交際が始まったのは2023年〇月〇日です。

妻が帰国した後も毎晩のように長電話でお互いの一日を共有し合い、ますます親密な関係になっていきました。妻が初めてボイスメッセージで「好き」と伝えてくれた時には、嬉しくて天にも昇る気持ちでした。

しかし妻は同時に私たちの関係に対する不安も打ち明けてくれて、これを機にお互いをより深く理解する努力を始め、2023年〇月〇日、数時間の電話を経て正式に交際を開始しました。

この抜粋例のポイントは、葛藤や不安も率直に描写していることです。順風満帆なエピソードだけを書き連ねるよりも、不安や悩みを乗り越えて関係を深めた過程を書く方が、リアリティがあり審査官に響きます。

【プロの視点】添付資料で経緯を補強する

「毎晩のように長電話していた」と書いた場合、その履歴は必ず残っているはずです。LINE・メッセンジャー・WhatsApp等のスクリーンショット、通話履歴のスクショを添付資料として一緒に提出することで、結婚の信ぴょう性が客観的に裏付けられ、審査官の心証は格段に良くなります。

③ 結婚決意・プロポーズ ── 「なぜ結婚を決めたか」決定的瞬間

交際が始まってから結婚に至るまでの経緯と、プロポーズの年月日・場所・言葉・エピソードを書きます。

特に「なぜこの人と結婚しようと思ったのか」という結婚決意のきっかけは、必ず書き込んでください。ここがあるかないかで、質問書の説得力は大きく変わります。

【許可事例からの抜粋】プロポーズと結婚決意

妻にプロポーズをしたのは、2024年〇月〇日です。

交際を開始して以来、結婚について妻と何度か話し合ったことはありましたが、2024年〇月のジョージア訪問中、妻の兄夫妻の幸せな家庭の様子を目の当たりにしたことで、結婚をより現実のものとして意識するようになり、私と妻も家族として一緒に生きていきたいと強く感じました。

ジョージア訪問後、テキサスの妻の実家に戻って結婚について真剣に話し合い、〇月〇日に妻の実家でプロポーズをしました。何時間も将来について語り合った後、「Will you marry me?」と尋ねると、妻は「これでずっと一緒にいられる」と快諾してくれて、妻の父に結婚を報告できること、私の両親と家族になれることをとても喜んでくれました。

この抜粋例の優れた点は、結婚を意識するようになった「決定的な瞬間」(義兄夫妻の幸せな家庭を見たこと)が描かれていること、そしてプロポーズの実際の言葉(Will you marry me? / これでずっと一緒にいられる)が書かれていることです。これで一気にリアリティが増します。

④ 結婚後の生活・両親への報告 ── 「家族からの祝福」を描写

最後に、結婚してから現在までの交流と、両親に結婚を報告した時の両親の反応を書きます。

両親への報告は、結婚の信ぴょう性を客観的に裏付ける重要な要素です。「普通、結婚すれば両親に報告するはず」という前提があるため、両親が結婚を知らないとなると審査官は「なぜ?」と疑念を持ちます。

【許可事例からの抜粋】両親への報告

私の両親に結婚の報告をした際には、驚きながらも嬉しそうで、「何かあったらいつでも頼って」と言ってくれました。妻の父に結婚の報告をした時にも、「新しい息子ができた」と喜んでくれました。

両親の実際の言葉を引用すると、報告の事実が立体的に伝わります。

【最重要】両親に結婚を伝えていない場合

「両親には結婚のことを伝えていない」というケースもあります。質問書のQ12で親族の認知状況が問われますが、親に黙って結婚している場合、入管は「なぜ?」という強い疑問を持ちます

このケースでは、なぜ親に伝えていないのか合理的な理由を別紙(理由書)で説明する必要があります。例えば、親が高齢で病気のため知らせていない、親と長年絶縁状態である、などの事情です。理由なく伝えていない場合、結婚の信ぴょう性に深刻な疑念を持たれます。

「今後の生活について」を末尾に追加する

理由書の末尾には、結婚後の生活基盤(住居・収入・今後の見通し)を簡潔に書き添えます。これは経済的な安定性をアピールするパートです。

【許可事例からの抜粋】今後の生活について

妻の在留資格変更許可申請が許可された後は、現在生活している島根県松江市の賃貸物件(家賃76,000円)で婚姻生活を営んでいきたいと思っています。

私は現在年収が約334万円あり、妻も現在の仕事をリモートで続ける見込みですので、今後妻と日本で生活していくにあたっての経済的支障はございません。

ここに記入する数字(家賃・年収)は、第3回で解説した申請書 §25「滞在費支弁方法」および §26「扶養者欄」と整合させることを忘れずに。

文章量の目安

理由書は、A4用紙1〜2枚程度(1,500〜3,000字)が標準的な目安です。短すぎると経緯が伝わらず、長すぎると要点がぼやけます。

【書き方のチェックリスト】Q2(1)「結婚に至った経緯」

提出前に、以下の点が網羅されているか確認してください。

  • 出会いの年月日・場所・経緯が具体的に書かれているか
  • 初めて会った時の第一印象が双方向(夫→妻 / 妻→夫)で描かれているか
  • 二人にしか書けない固有のエピソード(具体的な出来事)が入っているか
  • 交際開始の年月日と、なぜ交際に至ったかの気持ちの変化が書かれているか
  • プロポーズの年月日・場所・言葉が書かれているか
  • 両親の反応(結婚報告時のリアクション)が書かれているか
  • 添付資料(LINEスクショ・写真等)で経緯を補強しているか
  • 申請書(第3回)の数字・住所と整合しているか

Q2(2)|紹介者の有無

申請人と配偶者を引き合わせた紹介者がいる場合の情報を記入する欄です。Q2「結婚に至った経緯」の(2)番として位置付けられています。

質問書-2-紹介者の有無

該当する場合・しない場合

  • 紹介者あり: 「有」にチェックし、紹介者の氏名・国籍・住所・電話番号、紹介者と申請人・配偶者それぞれとの関係を記入
  • 紹介者なし(マッチングアプリ・SNS等で知り合った場合を含む): 「無」にチェック
【補足】質問書フォーマットの背景

この質問書のフォーマットは約10年変わっていません。設問に「結婚相談所による場合は会社名を記載してください」という項目があるのは、過去に悪質な国際結婚仲介業者が存在し、入管がマークしていた経緯があるためです。

マッチングアプリで自然に知り合ったケースは、紹介者欄は「無」で全く問題ありません。

Q3|夫婦間の言語・コミュニケーション

夫婦間で実際に使っている言語と、お互いの母国語の理解レベルを問う設問です。ここは結婚の信ぴょう性審査において非常に重要です。

質問書-3-夫婦間の会話で使われている言語

設問の構成

  • (1) 夫婦間の会話で使われている言語
  • (2) お互いの母国語
  • (3) 申請人(外国人配偶者)は配偶者(あなた)の母国語をどの程度理解できるか
  • (4) 配偶者(あなた)は申請人(外国人配偶者)の母国語をどの程度理解できるか
  • (5) 申請人が日本語を理解できる場合、いつ・どのように学んだか
  • (6) お互いの言葉が通じない場合、どのような方法で意思の疎通を図っているか

理解レベルのチェック項目

(3)(4)では、以下の4段階から該当するレベルにチェックを入れます。

  • 難しい=通訳が必要
  • 筆談/あいさつ程度
  • 日常会話程度は可能
  • 会話に支障なし
【最重要】双方が「難しい」「あいさつ程度」だと不許可リスクが激増

結婚の信ぴょう性審査において、夫婦間のコミュニケーションが成立しているかは決定的に重要です。

❌ 不許可リスクが極めて高いパターン

申請人(外国人配偶者)は日本語が「難しい」、配偶者(日本人)も外国人配偶者の母語が「難しい」── つまり双方がお互いの言語を喋れないケース。

このパターンだと審査官は当然次の疑念を持ちます。

  • そもそも夫婦でどうやってコミュニケーションを取っているのか?
  • その結婚は本当の結婚なのか?偽装結婚ではないのか?

少なくともどちらか一方が「日常会話程度は可能」以上でないと、夫婦としての日常的なコミュニケーションが成立していないと判断され、不許可リスクが激増します。

【ポイント】共通言語は「日本語」でなくてもいい

共通言語が日本語である必要はありません。例えば、日本人配偶者が英語ペラペラで、夫婦間のコミュニケーションは普段すべて英語、というケースも全く問題ありません。

「何かしらの言語で夫婦のコミュニケーションが成立していること」が問われています。

Q3(5) 申請人が日本語を学んだ経緯

申請人が日本語を理解できる場合は、いつ・どのように学んだかを具体的に記載します。

【記入例】Q3(5)日本語学習の経緯

妻は2020年から趣味として学び始め、私と出会ったことをきっかけに真剣に勉強を開始しました。複数の言語学習アプリとYouTube・ニュース記事を使い独学で勉強しています。また、日本語で日記を書いて私が添削するという日課を2年間続けています。

Q3(6) 言葉が通じない場合の意思疎通方法

【記入例】Q3(6)意思疎通の方法

彼女は日本語能力試験N1を取得しており、日本語が堪能なため意思の疎通が図れないということは基本的にありません。どうしても通じない場合は翻訳アプリ等を使用し、意思の疎通を図ります。

【プロの視点】語学力を客観的に証明する添付資料

「日本語能力試験N1を取得している」「TOEIC〇〇〇点を取得している」と書いた場合、合格証・スコアシートのコピーを添付資料として一緒に提出してください。客観的に語学力が裏付けられ、結婚の信ぴょう性が大きく強化されます。

Q4|結婚届出時の証人2名

日本国内で結婚された方は、婚姻届に署名した証人2名の氏名・住所・電話番号を記入します。

質問書-4-結婚届出時の証人

役所に提出した婚姻届の証人欄に署名いただいた方の情報をそのまま記入してください。

【注意】本国側の婚姻届には不要

ここに記入するのは、日本側の婚姻届の証人2名のみです。本国側で婚姻手続きを行った際の証人については、ここでは問われていません(本国の手続きで証人制度がない国も多いため)。

Q5|結婚式

結婚式(披露宴)を行った方は、その年月日・場所・出席者を記入します。

質問書-5-結婚式の日にちと場所

結婚式を挙げていない場合

  • 記入欄は空欄のままで問題ありません
【Q&A】結婚式を挙げていないと不利になりますか?

A. 全く不利になりません。最近は日本人同士でも結婚式を挙げない夫婦が多く、入管もそれを承知しています。

結婚式を挙げていなくても、Q2(1)(結婚に至った経緯)の理由書、写真、メッセージ履歴等で結婚の信ぴょう性が十分に証明できれば、許可は出ます。結婚式を挙げていないことを理由に不許可になることは決してありません。

Q6|結婚歴(初婚・再婚)

申請人(外国人配偶者)・配偶者(日本人配偶者)それぞれの結婚歴を記入します。

質問書-6-結婚歴

初婚同士の場合

両者とも「初婚」にチェックを入れて完了です。

再婚の場合

「再婚」にチェックを入れ、前回の結婚期間(年月日)、離婚または死別の別を記入します。

【注意】結婚・離婚を繰り返している場合

過去に4回・5回と結婚・離婚を繰り返している方は、結婚の信ぴょう性に疑義がかかりやすくなります。2回目・3回目程度の再婚であれば実務上は特に影響しませんが、回数が多いケースでは別途、合理的な理由を理由書で説明する必要があります。

【最重要】前婚と今回の交際期間が重複しているケース

再婚の場合の最大の注意点は、前婚の婚姻期間と今回の交際開始時期が重複しているケースです。これは要するに不倫から始まった関係ということになります。

このパターンは結婚の信ぴょう性に重大な疑義がかかりますので、理由書で経緯を丁寧に説明することが必須です。前婚が既に破綻していた経緯、現在の配偶者との関係が真剣なものに発展した経緯を、隠さず合理的に書いてください。隠蔽はほぼ確実に判明します。

Q7|申請人(外国人配偶者)の来日歴

申請人がこれまで日本に来たことがある場合、その回数と時期を記入します。

質問書-7-申請人の来日回数と時期

来日のたびにスタンプが押されているパスポートを見ながら記入してください。

来日歴が多数ある場合

来日歴が10回・20回・30回と非常に多く正確な回数が把握できない場合は、「多数回」と記載して問題ありません。直近5回程度の来日時期と来日目的(観光・仕事等)を正確に書けば足ります。

Q8|配偶者(日本人配偶者)の渡航歴

配偶者(日本人)が申請人(外国人配偶者)の母国に行ったことがある場合、その回数と時期を記入します。

質問書-8-配偶者が申請人の母国に行った回数と時期質問書-8-配偶者が申請人の母国に行った回数と時期

設問の構成

  • (1) 知り合ってから結婚までの間の渡航回数・時期
  • (2) 結婚後の渡航回数・時期
【最重要】遠距離恋愛の場合は「会った回数」が決定的

配偶者ビザの不許可で多いパターンの一つが、会った回数が極端に少ない遠距離恋愛のケースです。

例えば、外国人配偶者が海外在住で、これまで「1回しか会ったことがないのに結婚している」というケース。これでは「1回しか会っていないのに、なぜ結婚に至ったのか?偽装結婚ではないのか?」という強い疑念を持たれます。

配偶者ビザ許可の観点では、遠距離恋愛のケースでは最低でも3回以上、できれば5回以上は実際に会っているのが望ましい水準です。

【プロの視点】「会った回数」を補強する添付資料

渡航のたびに残るパスポートの出入国スタンプ、航空券の控え、現地で撮影した写真などは、会った回数を客観的に証明する強力な添付資料になります。質問書と一緒に提出してください。

Q9|退去強制歴の有無

申請人(外国人配偶者)が過去に日本から退去強制されたことがあるかを問う設問です。

質問書-9-申請人の退去強制歴

該当する場合・しない場合

  • 多くの方: 「無」にチェック
  • 退去強制歴あり: 「有」にチェックし、回数を記入。詳細は次のQ10で記入

Q10|Q9で「退去強制された」と記入された方への詳細

Q9で「有」にチェックを入れた方のみ、ここで退去強制の詳細を記入します。Q9が「無」の方は記入不要(空欄)です。

質問書-10-退去強制されたことがある場合

質問書-10-退去強制されたことがある場合

記入項目

  • (1)違反内容: 不法残留(オーバーステイ)・不法入国・その他
  • (2)退去強制された年月日と空港名
  • (3)当時使用していたパスポートの国籍・氏名・生年月日
  • (4)退去強制までの間に夫婦で同居した事実があれば、期間と住所
【重要】退去強制歴がある場合は専門家へ相談を

退去強制歴があると、入管法第5条第1項の上陸拒否事由に該当し、一定期間日本への入国ができません。期間経過後の入国は可能ですが、配偶者ビザの審査では特に厳しく見られます。

このケースでは申請の方法も大きく変わってきますので、ご自身で進めるのではなく、行政書士や弁護士など専門家に依頼することを強くおすすめします。

Q11|申請人と配偶者の親族情報

申請人と配偶者の双方の親族情報(父・母・兄弟・姉妹・子)を記入します。

質問書-11-親族の氏名、年齢、住所、電話番号質問書-11-子どもの名前、生年月日、住所

設問の構成

  • (1) 父・母・兄弟・姉妹の続柄・氏名・年齢・住所・電話番号
  • (2) お子さんがいる場合はお子さんの情報(続柄・氏名・生年月日・住所)。いない場合は「なし」

記入のポイント

夫側・妻側それぞれの親族を記入します。日本に居住している方の電話番号は可能な限り記入し、亡くなっている方は住所欄に「死亡」と記載してください。

外国に住んでいる親族の住所は、都市名までで構いません(例:New York, U.S.A.)。

Q12|親族で今回の結婚を知っている方

申請人・配偶者それぞれの親族のうち、今回の結婚を知っている方を「丸」で囲みます。

質問書-12-親族で今回の結婚を知っている方

記入のポイント

通常、結婚すれば家族全員にその事実を伝えます。両親・兄弟姉妹・子のうち、結婚を知っている人を全て丸で囲んでください。

  • 夫側: 父・母・兄・弟・姉・妹・子 の中から該当する方を○で囲む
  • 妻側: 同上
【最重要】両親が結婚を知らない場合

「父・母には結婚のことを伝えていない、黙って結婚している」というケースが時々あります。この場合、Q12で両親に丸が付かないことになります。

入管としては「なぜ結婚しているのに、お父さんお母さんが知らないのか」という強い疑問を持ちます。普通に考えて、結婚すれば両親には報告するからです。

このケースに該当する場合は、なぜ両親が結婚を知らないのか、合理的な理由を別紙(理由書)で説明することが必須です。例:

  • 親が高齢で重い病気のため、ショックを与えないよう知らせていない
  • 親と長年絶縁状態にあり、連絡を取れる関係ではない
  • 親が国際結婚に強く反対しており、関係修復を待っている

合理的な理由が説明できない場合、結婚の信ぴょう性に深刻な疑念を持たれ、不許可の重大要因になります。

質問書と一緒に提出すべき添付資料

質問書本体と理由書だけでは、結婚の信ぴょう性を完全に立証することはできません。客観的に裏付ける添付資料を一緒に提出することで、審査官の心証は大きく変わります。

推奨される添付資料

添付資料 立証する内容
二人で写った写真(交際中・結婚後) 実際に一緒に時間を過ごした事実
LINE・メッセンジャー等のスクリーンショット 日常的なコミュニケーションの実態
国際電話・ビデオ通話の履歴 遠距離期間中の継続的な交流
航空券・搭乗券の控え 渡航・来日の客観的記録
語学資格の合格証・スコアシート Q3で記入した語学力の客観的裏付け
両家との写真(両親・兄弟姉妹) 両家の認知・祝福を受けている事実
結婚式・披露宴の写真 結婚式を行った場合の証拠

写真の選び方

写真は時系列順に整理し、撮影日・撮影場所・写っている人物のキャプションを付けると、審査官にとって読みやすい資料になります。10枚〜20枚程度を目安に、出会いから現在までを偏りなくカバーするように選んでください。

【プロの視点】「量」より「質」と「多様性」

写真の量を増やすことより、多様なシチュエーション(食事・観光・実家訪問・結婚式・日常)で撮られた写真をバランスよく揃える方が、結婚の信ぴょう性立証には効果的です。同じ場所・同じ服装の写真を10枚並べるより、異なる場面の写真を10枚揃える方が、継続的な関係性を客観的に裏付けます。

よくある不許可パターン

質問書の書き方が原因で不許可になる典型パターンをまとめました。提出前にチェックしてください。

不許可パターン早見表

① 双方が言語ができない(Q3)

  • 申請人の日本語=「難しい/あいさつ程度」かつ 配偶者の外国語=「難しい/あいさつ程度」
  • 夫婦のコミュニケーションが成立していないと判断される

② 不倫から始まった結婚(Q6)

  • 前婚の婚姻期間と今回の交際開始時期が重複している
  • 理由書で丁寧な経緯説明が必須

③ 両親が結婚を知らない(Q12)

  • 親族認知の合理的理由が説明できない
  • 結婚の信ぴょう性に深刻な疑念

④ 遠距離恋愛で会った回数が極端に少ない(Q8)

  • 海外在住の相手と「1〜2回しか会っていない」のに結婚
  • 最低3回以上、できれば5回以上の対面実績が望ましい

⑤ 結婚に至った経緯が「事実の羅列」のみ(Q2)

  • 具体的なエピソード・感情の描写がない
  • 「2024年1月に出会い、5月にプロポーズ、7月に結婚」のような淡白な記述

⑥ 申請書(第3回)との数字不整合

  • 年収・住所・職場情報が申請書と微妙にズレている
  • 提出前に第3回の申請書と照合してから提出

まとめ|審査官に響く質問書の3原則

質問書の書き方を、本物の許可事例から抜粋した例文を交えて全項目にわたって解説しました。最後に、審査官に響く質問書を書くための3原則をまとめます。

質問書の3原則

  • ① 物語性: 事実を並べるのではなく、出会いから結婚までを「ストーリー」として伝える
  • ② 具体性: 二人にしか書けない固有のエピソード・感情・実際の言葉を盛り込む
  • ③ 客観性: 写真・LINEスクショ・通話履歴等の添付資料で記述を裏付ける

この3原則を守れば、質問書の不備で不許可になるリスクは大幅に下げられます。

質問書作成のチェックリスト

提出前に、以下のチェックリストで最終確認してください。

  • Q2(1)「結婚に至った経緯」を別紙(理由書)で1〜2枚作成したか
  • 4観点(出会い・交際開始・結婚決意・結婚後の生活)が網羅されているか
  • 第一印象が双方向で描かれているか
  • 二人にしか書けない固有のエピソードが入っているか
  • 両親への報告と両親の反応が書かれているか
  • Q3「言語」で双方が「難しい/あいさつ程度」になっていないか
  • Q8「会った回数」が遠距離の場合は3回以上あるか
  • Q12「親族の認知」で両親が結婚を知っているか
  • 添付資料(写真10〜20枚・LINEスクショ・語学資格証等)を準備したか
  • 申請書(第3回)の数字・住所と整合しているか
  • 日本人配偶者(配偶者欄)の自署があるか

ここから先は、いよいよシリーズ最終回の第5回|申請当日の流れと結果が出るまでの完全ガイドです。完成した書類を持って入管窓口へ提出する流れ、申請後の過ごし方、許可・不許可の通知が届くまでの完全ガイドを解説します。

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本記事の内容を動画でも解説しています

本記事の内容は、行政書士法人タッチ代表の湯田が動画でも詳しく解説しています。実際の質問書様式を画面共有しながら解説していますので、文字よりも動画で学びたい方はぜひあわせてご覧ください。

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この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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