配偶者ビザに関する解説コラム

日本人の実子を呼ぶにはどうしたらいいのか?必要書類や手続きを解説
- 2019年06月26日
国際結婚をされた皆様、この度はおめでとうございます。
日本での新しい生活を始めるにあたり、在留資格(ビザ)の手続きに関して、様々なお悩みや疑問をお持ちのことと存じます。
「短期滞在ビザ(観光など)で来日している間に、そのまま配偶者ビザに切り替えたい」というご相談は、私たち行政書士のもとに大変多く寄せられます。しかし、結論から申し上げると、この手続きは原則として認められません。
「結婚したのに、どうして?」
そう思われる方も多いかと思います。
この記事では、なぜ原則不可なのかという理由から、どうすれば例外として認められるのか、そのために必要な「やむを得ない特別の事情」の立証方法について、専門家として丁寧にご説明します。
目次
日本の在留資格には、一つひとつに明確な基準があります。
短期滞在:「短期滞在」の在留資格は、その名の通り短期の滞在(観光や商用等)であり、短期で帰ることが前提です。そのため、ビザが比較的に簡易に発給され、またはビザを要求されることなく(ビザ免除国)、簡便な入国審査により上陸が認められます。 |
日本人の配偶者等(配偶者ビザ):日本で中長期的に生活することを目的とします。そのため、本来は日本に来る前に、厳しい審査を経て「在留資格認定証明書」を取得する必要があります。 |
海外に住む外国人配偶者を日本に呼び寄せる場合の通常の流れは下記の通りです。
在留資格認定証明書交付申請 |
上記のように「日本人の配偶者等(配偶者ビザ)」の在留資格で日本に新たに滞在しようとする場合は、事前に入管が「日本人の配偶者等」の在留資格に該当性があるか否か、厳格に審査を行います。
一方で、短期滞在は、一時的な滞在を予定しているものでありますから、配偶者ビザと比較し、審査が簡便です。
そのような簡便な審査を経て、観光目的で入国した方に、簡単に長期滞在のビザに変更申請を認めてしまうと、日本が定めている入国管理制度の秩序が保てなくなり、ビザ制度及び在留資格認定証明書制度を形骸化してしまう恐れがあるため、入管法では、短期滞在からの変更は、「やむを得ない特別の事情」がなければ許可しないと定められています。
原則は申請受理及び許可がされませんが、「やむを得ない特別の事情」が認められれば、例外的に許可されることがあります。
実務上、この事情が認められることが多いのは、以下のようなケースです。
この理由を基に、申請するケースが実務上は最も多いです。
短期滞在中に結婚手続きを済ませ、既に夫婦として生活を始めている場合などが該当します。
すでに申請していた在留資格認定証明書が、短期滞在中に交付された場合です。
妊娠が判明し、母子の健康のために日本での滞在・出産が不可欠と判断される場合です。
来日中に配偶者が重病にかかるなど、特別な事情がある場合です。
(一度本国に帰るのもお金がかかるし、配偶者と一時も離れ離れになりたくない等)
本音は各々あると思いますが、このケースが実務上、最も多いです。
そして、ご結婚が理由の場合は、単に「結婚しました。そのまま日本にいたいです。」と主張するだけでは不十分です。
なぜ帰国して正規の手続きを踏まなかったのか、なぜ今日本でビザ変更が必要なのかについて、入国管理局が納得できるような説明が不可欠です。
入国管理局の担当官に、なぜ「やむを得ない特別な事情」があるのかを事前に説明し、了承を得ることが、申請を受理してもらうための重要なステップとなります。
この事前交渉と、説得力のある「理由書」の作成が、申請の成否を分けます。
単に「やむを得ない事情がある」と主張するのではなく、客観的な証拠に基づき、具体的な経緯を丁寧に説明することが重要です。
具体的には下記のような内容を盛り込むと良いでしょう。
「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請をする理由
申請人:●●●●
1 出入国管理及び難民認定法20条3項において「短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しない」と規定される通り、短期滞在から他の在留資格への変更は原則認められません。
2 そこで、やむを得ない特別の事情に基づく申請かを検討するに、本件では以下の事情が認められます。 (1)申請の必要性 【妊娠等、必要性を基礎づける事情がその他あれば適宜追記】 申請人と●●●●は●●年●月●日に●県●市にて婚姻手続を行いました。両人は既に●県●市にある●●●●の居宅において婚姻生活を営んでおり、夫婦としての実体が存在しています。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (2)申請の許容性 出入国管理及び難民認定法20条3項の趣旨は、「短期滞在」の在留資格は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 上記事情から本件は「やむを得ない特別な事情」に該当すると判断し、今般、「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請を行わせていただく次第です。 以上の内容をご高配いただき、申請を受理していただきますよう何卒よろしくお願い申しあげます。 以上 |
行政書士が作成する「理由書」は、出入国管理及び難民認定法(入管法)の条文を引用しながら、なぜこのケースが「やむを得ない特別な事情」に該当するのかを論理的に組み立てていきます。
一方で、自己申請では上記のような作成が難しいと感じる方も多いかと思います。
しかし、重要なのは、行政書士のような専門的な言葉を使わなくても、「婚姻の存在があり、既に夫婦としての生活を営んでいること」を、ご自身の言葉でしっかりと伝えることです。
既に日本で共同生活を始めていること、一度離れ離れになることの精神的・経済的負担などを具体的に記載するといいでしょう。
短期滞在の在留資格には、「15日、30日、90日」の3つの期間があります。このうち、「15日、30日」の短期滞在からの変更は、実務上、非常に難易度が高く、ほぼ不可能に近いと考えてください。
これは、在留期間の満了後も審査期間中に日本に滞在できる「特例期間」が、在留期間が「30日以下」の短期滞在者には適用されないからです。
たとえ入国管理局が申請を受理してくれたとしても、在留期間が短い場合、許可が出る前にオーバーステイになってしまうリスクがあります。また、15日や30日の短い期間で必要書類をすべて揃え、入管が納得する理由書を作成することは、現実的に不可能です。
そのため、短期滞在からの変更を検討される場合は、「90日」の短期滞在ビザでの来日が大前提となります。
90日あれば、十分な準備期間を確保し、入国管理局との事前交渉や必要書類の収集・作成を進めることができます。
短期滞在ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可申請は、オンラインでは行うことができません。必ず、お住まいの地域を管轄する出入国在留管理局の窓口に出向いて申請する必要があります 。
これは、この種の申請が、一般的な在留資格の申請とは異なり、「やむを得ない特別の事情」の有無を個別に確認する必要があるためです。
窓口では、担当官が申請内容を直接確認し、状況に応じて追加の質問や書類の提出を求めることがあります。
(「日本人の配偶者等」へ変更申請する際に必要となる書類一式と「やむを得ない特別の事情」に該当する旨の説明書を用意した上で、窓口に出向きましょう。)
「やむを得ない特別な事情」の有無は、個々の状況を総合的に判断して決定されます。
そのため、ご自身のケースが要件に該当するかどうかを判断するには、専門的な知識と経験が不可欠です。
行政書士法人タッチでは、単なる書類作成の代行にとどまらず、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、入国管理局との事前交渉を通じて、適切な手続きをサポートします。
他の事務所で受理が難しいと言われた案件でも、解決に導いた実績が多数ございます。
短期滞在からの在留資格変更は、決して簡単な手続きではありません。
しかし、「やむを得ない特別な事情」を正確に立証し、適切な手続きを踏むことで、許可を得られる可能性は十分にあります。
お二人の日本での新しい生活をスムーズに、そして安心して始められるよう、私たち行政書士が全力でサポートいたします。
ご不安な点があれば、お一人で悩まずに、ぜひお気軽にご相談ください。スムーズな解決は、早めのご相談から始まります。
配偶者ビザの申請にあたっては、しっかり審査のポイントを押さえて、申請することが重要です。配偶者ビザの審査は、偽装結婚防止等の観点から年々厳しくなっている印象を受けます。ですので、配偶者ビザ申請にご不安な点があれば、まずはビザ申請に関して専門性の高い行政書士にご相談することを推奨いたします。
行政書士法人タッチでは、無料相談にてお客様一人一人のご状況を伺い、配偶者ビザ取得に向けて最適な方法を選択させて頂きます。
無料相談のご予約方法は当事務所に①お電話でのお申込み・②お問い合わせフォームから承っております。配偶者ビザに関するご不安やお悩みをサポートさせて頂きますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
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2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
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