永住申請での源泉徴収票について
永住申請をする際に勤務先が発行する源泉徴収票を提出するケースがあります。まず、前提として永住申請では、源泉徴収票の提出は必須書類ではありません。しかしながら、永住申請で源泉徴収票を提出する場面というのは実際にあります。
おそらくこのページを見ている方は、すぐに永住権が欲しいと考えているかと思います。
ここでは、本来必須書類ではない源泉徴収票をなぜ提出するのか、また、永住申請で源泉徴収票を提出したほうが良いケースを紹介します。
永住申請での源泉徴収票の役割
源泉徴収票とは、勤務先が年末に発行する書類で、1年間の収入金額が記載されています。基本的に確定申告をしない限り、市区町村から発行される課税証明書には、源泉徴収票の収入金額と同じ金額が記載されます。
ご存知のように、永住申請では市区町村発行の課税証明書の提出が必須です。しかしながら、課税証明書が発行できるのは早くても翌年の5月になります。つまり、当該年の1月から12月の収入金額が課税証明書に反映されるまでに、5カ月程度の期間を要するということになります。
ここで1つの疑念が生まれると思います。直近の収入金額で永住申請の収入要件を満たす場合、5月に入って課税証明書を取得しなければ申請ができないのか。という点です。
特に高度人材のビザをお持ちの外国人は、提出する課税証明書の期間が1年又は3年ですので、すぐに永住権を取得したいと考えている方が多い傾向にあります。
この場合、源泉徴収票を提出することによって、5月に発行される課税証明書を待たずして永住許可を得られるケースがあります。
こうした状況の永住申請では、直近の課税証明書の代替書類として勤務先発行の源泉徴収票を提出することがあります。
源泉徴収票の提出方法について
上記で源泉徴収票を提出することによって、課税証明書の代替ができる場合があると解説しましたが、あくまで入国管理局に提出する書類は課税証明書ということが前提になります。
源泉徴収票で代替できるのは直近1年の収入のみです。それ以外の収入の証明は課税証明を提出する必要があります。つまり全ての年の収入の証明を源泉徴収票でおこなうことはできません。
課税証明書が発行できる年については、必ず課税証明書の提出が必要になります。また、源泉徴収票よりも課税証明書を提出することが望ましいので、どうしても5月になる前に申請したい場合のみ、源泉徴収票で直近の収入証明をしましょう。
源泉徴収票の提出方法は、勤務先で法人印を押印してもらうことが望ましいです。なぜなら源泉徴収票は簡単に偽造できてしますので、提出する書類が真正なものとして扱ってもらうために、できるだけ勤務先で法人印を押印してもらうようにしましょう。
現在は、会社から手渡しで源泉徴収票を渡されるということが減ってきており、パソコンで印刷するというケースが非常に多くなってきています。この場合も、印刷した源泉徴収票に法人印を押印してもらうようにしましょう。
審査期間中の対応について
直近の課税証明書の代替として源泉徴収票を提出した場合でも、審査期間中に直近の課税証明書が発行できるようになる可能性があります。永住申請の審査期間は長いため、課税証明書の発行を待たずに源泉徴収票で申請しても、審査期間中に課税証明書が発行できる時期が到来するケースです。
この場合、ほぼ間違いなく入国管理局から追加書類として最新の課税証明書が要求されることになります。源泉徴収票の金額と課税証明書の金額が同じ場合は問題になることはありませんが、当該年に確定申告をしている場合は注意が必要です。
例として挙げられるのが、副業をしていてその副業が赤字の場合です。確定申告で副業の赤字を計上すれば、所得金額が少なくなります。この場合、金額にもよりますが収入要件を満たさなくなり不許可になる可能性があります。
また、永住申請時には職歴を提出していることに加えて、副業を禁じている在留資格もありますので、双方に注意が必要になります。提出した履歴書に副業を記載していなかったり、副業を禁じている在留資格で副業をしていた場合、不許可になる可能性が高まります。
副業をしておらず確定申告もしていない場合は、源泉徴収票に記載の通りの課税証明書が発行されるので問題はありません。
永住申請での源泉徴収票の役割についてのまとめ
このページでは永住申請における源泉徴収票について解説をしました。ポイントとしては、
- 原則は課税証明書の提出
- 直近1年分の収入のみ源泉徴収票で代替できるケースがある
- 源泉徴収票で代替する場合は、勤務先に法人印を押印してもらう
- 審査期間中に課税証明書が追加書類で要求される場合がある
上記の通りとなります。
永住申請を考えていて、今すぐに申請したい、課税証明書の発行まで待てないという方は是非1度当事務所にご相談ください。