永住許可(永住資格)取得のハードルは高いですが、高度人材(高度専門職)ビザの方なら、比較的容易に取得できます。
この記事では、高度人材とは何か、高度人材からの永住許可取得が容易な理由、実際の取得の流れについて解説します。
高度人材(高度専門職)ビザとは
高度人材(高度専門職)ビザとは在留資格「高度専門職」のことです。
日本経済における新たな活力の創造、日本の国際競争力強化などに大きく寄与する高度な知識や技能を有する外国人を様々な優遇措置を以って受け入れるための在留資格です。
具体的な優遇措置の内容は次の7項目です。
- 複合的な在留活動が許容される。
- 5年の在留期間が認められる。
- 在留歴に係る永住許可要件が緩和される。
- 配偶者の就労が可能になる。
- 一定の条件の下での親の帯同が認められる。
- 一定の条件の下での家事使用人の帯同が認められる。
- 入国・在留手続きが優先的に処理される。
中でも、在留歴に係る永住許可要件が緩和される点が大きなポイントになります。
在留資格「永住者」を取得するには、原則として日本に10年在留していなければなりません。
高度専門職の在留資格で日本に滞在している場合は、1年または3年の在留期間で在留資格「永住者」を取得できるようになります。
在留資格「高度専門職」の3つの活動類型
在留資格「高度専門職」は、次の3つの活動類型に分かれています。
- 高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」:法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、研究や研究の指導、教育を行う活動。
- 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」:法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、自然科学や人文科学の知識や技術が必要な業務に従事する活動。
- 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」:法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、事業の経営や管理に従事する活動。
「法務大臣が指定する日本の公私の機関」とは具体的にどのような機関を指すのかについては公表されていません。
国立大学や大手企業のイメージを持たれる方が多いと思いますが、必ずしも大手企業などである必要はないとされています。
なお、「高度専門職」は、他の在留資格と活動範囲が重複するのが一般的です。
例えば、
- 高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」は、「教授」「研究」「教育」
- 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」は、「技術・人文知識・国際業務」
- 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」は、「経営・管理」
と重複します。
そのため、これらの在留資格を有している方が、一定以上のポイントを得られる場合は、「高度専門職」の在留資格取得を目指す形になります。
在留資格「高度専門職1号」と「高度専門職2号」の違い
高度専門職には、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」があります。
高度専門職の在留資格を最初に申請するときは、「高度専門職1号」で申請します。
「高度専門職1号」で3年以上日本に在留して、該当する活動を行っていた場合は、「高度専門職2号」を申請できるようになります。
「高度専門職2号」の在留資格を取得すれば、在留期間が無期限となります。
在留資格「永住者」と「高度専門職2号」の違い
在留資格「永住者」と「高度専門職2号」はどちらも在留期間に制限がありません。
では、この二つはどのような違いがあるのでしょうか?
まず、在留資格「永住者」は、就労要件や就労可能な職種の制限がありません。働いていなくても取り消されることはありませんし、どのような仕事にも転職できます。
一方、在留資格「高度専門職2号」は、高度専門職として働いていないと取り消されてしまいます。また、就労可能な職種も3つの活動類型のいずれかに限定されています。
ただ、在留資格「高度専門職2号」では、一定の条件の下での親や家事使用人の帯同が認められますが、在留資格「永住者」にはそのような優遇措置はありません。
在留資格「永住者」 | 在留資格「高度専門職2号」 | |
就労 | 就労要件なし | 就労しないと取り消し |
就労可能な業種 | 制限なし | 制限あり |
親・家事使用人の帯同 | 不可 | 可能 |
ポイント制(高度人材ポイント)とは
「高度専門職」の在留資格が認められるためには申請者である外国人が高度な知識や技能を有する(高度外国人材である)ことが前提です。
高度な知識や技能を有していると言えるかどうかは、「高度専門職ポイント計算表」によって計算しており、「70点(70ポイント)以上」からが高度外国人材として認められます。「80点(80ポイント)以上」の場合はさらに優遇措置を受けられます。
高度専門職ポイント計算表における加算の対象は次のとおりです
学歴 | 大卒以上で10点加算されます。修士だと20点、博士なら30点です。 |
職歴 | 3年以上からが加算の対象です。 |
年収 | 高度学術研究活動と高度専門・技術活動は400万円以上から、高度経営・管理活動は1000万円以上からが加算の対象です。 |
年齢 | 高度学術研究活動と高度専門・技術活動は若いほど加算の対象になります。39歳以下からが加算の対象です。 |
その他に、ボーナスポイントがあります。
例えば、日本の高等教育機関において学位を取得していれば10点加算、日本語能力試験N1取得者や外国の大学において日本語を専攻して卒業した者は15点加算と言った具合です。
【解説動画】高度人材の方の永住申請
高度人材ビザから永住許可(永住資格)取得のための条件
高度人材ビザを取得した場合は、永住許可取得のための条件が緩和されます。
すなわち、在留資格「永住者」を取得するには、原則として日本に10年在留しなければならないところ、1年または3年の在留期間で取得できるようになるということです。
高度人材ポイントで80ポイント以上と70ポイント以上の場合とで条件が異なります。
80ポイント以上の場合
高度人材ポイントで80ポイント以上の場合は、次のいずれかを満たすことで、在留期間1年で永住許可取得が可能になります。
- 高度人材ポイントで80ポイント以上を維持して1年以上継続して本邦に在留していること。
- 永住許可申請日から1年前の時点で80ポイント以上の点数を有していたことが認められ、1年以上継続して80ポイント以上の点数を有し日本に在留していること。
70ポイント以上の場合
高度人材ポイントで70ポイント以上の場合は、次のいずれかを満たすことで、在留期間3年で永住許可取得が可能になります。
- 高度人材ポイントで70ポイント以上を維持して3年以上継続して本邦に在留していること。
- 永住許可申請日から3年前の時点で70ポイント以上の点数を有していたことが認められ、3年以上継続して70ポイント以上の点数を有し日本に在留していること。
永住許可(永住資格)申請に必要な書類
在留資格「高度専門職」から在留期間の特例を受けて、在留期間1年または3年で、在留資格「永住者」を取得するには、高度人材ポイントで80ポイントまたは70ポイント以上であることを疎明するための資料が必要になります。
80ポイント以上の場合
高度人材ポイントで80ポイント以上の場合、納税証明書等は「直近1年分」で足ります。
その代わり、高度人材ポイント関係の次のような書類が必要になります。
- 高度専門職ポイント計算表(永住許可申請時点)
- 高度専門職ポイント計算結果通知書(80点以上)の写し(結果通知書で80点未満の場合は、永住許可申請の1年前時点の高度専門職ポイント計算表)
- 高度専門職ポイント計算に係る疎明資料
70ポイント以上の場合
高度人材ポイントで70ポイント以上の場合、住民税の納税証明書等は「直近3年分」が必要です。年金や健康保険料納付証明書も「直近2年分」が必要です。
高度人材ポイント関係は、
- 高度専門職ポイント計算表(永住許可申請時点)
- 高度専門職ポイント計算に係る疎明資料
の2点を用意します。
永住許可(永住資格)申請は当事務所までご相談ください
高度人材ビザからの永住許可取得の方法について解説しました。
他の就労ビザに比べると、永住許可取得は容易ですが、それでも条件を満たしているかどうかについては専門家によるチェックが必要ですし、必要書類も多数そろえなければなりません。
当事務所では、永住許可(永住資格)申請のサポートを全面的に承っています。
お客様が在留資格「永住者」の要件を満たしている場合は迅速に手続きを行いますし、満たしていない場合は、何が足りないのか的確なアドバイスをいたします。
永住許可申請をお考えの方は「行政書士法人タッチ」へご相談ください。