目次
永住権とは
永住権とは、外国人が在留活動や在留期間を制限されずに滞在国に在留できる権利をいいます。
日本では、在留資格「永住者」を取得した外国人が永住権を取得することになります。
在留資格「永住者」の申請
永住者の在留資格が取得できれば日本で生活する上での制限がほとんどなくなります。
そのため、日本に長く在留しておりこれからも引き続き日本に在留しようと考えている外国人の方には、永住申請を検討されている方も多いかと思われます。
その際、永住申請が許可されるまでにどれくらい時間がかかるか気になる方も多いのではないでしょうか。
このページでは永住申請の審査期間について解説します。
永住申請の審査期間
2019年5月31日に「永住許可に関するガイドライン」が改定され、審査対象の拡大、提出資料の増加がなされた影響で、永住申請の審査が以前に比べ厳格になりました。
それに伴い、永住申請の審査も慎重になされるようになり、以前よりも時間がかかるようになりました。
出入国在留管理庁が公表している永住申請の標準的な審査期間は4か月とされています。
しかし、実際には申請してから許可が降りるまで6か月以上かかる方が多いです。
長い方ですと1年近くかかってしまう方もいます。
ポピュラーな在留資格である「日本人の配偶者等」「技術・人文知識・国際業務」は申請から短ければ1か月ほど、長くても3か月ほどで許可が降りることに比べると、永住申請の審査期間は非常に長いと言えます。
審査期間を短くするには
審査期間の長短は完全に入管の審査担当官の裁量ですので、特定の方法で審査期間を短くするということはできません。
しかし、審査担当官が疑念をはさむ余地をなるべく少なくしたり、スムーズな審査ができるような提出書類を作成したりすることで、審査期間がいたずらに長くならないように対処することは可能です。
審査が長引く一般的な原因
審査が長引く一般的な原因としては以下のようなものが挙げられます。
以下の点に注意して申請をすることで審査期間がなるべく長引かないように対策することができると言えます。
- 申請書類の不足
- 不適切な理由書
- 転職
- 審査状況の問合せ
申請書類の不足
申請書類が不足していると資料提出通知書によって追加資料を要求され、審査期間が長引きます。
また、審査担当官にも悪い心証を与えるため、疑念を抱かれる原因となります。
下掲「永住許可に関するガイドライン」に沿って、審査担当官がスムーズに審査ができるように、適切な書類を提出することが重要です。
不適切な理由書
永住申請の際には、在留資格「永住者」を必要とする理由を記載した理由書を提出する必要があります。
定型の書式などはなく自分の言葉で執筆しなければなりません。
その、理由書の記載内容が不十分であったり、違和感のある日本語で書かれていたりすると審査担当官が疑念を抱き、審査が長引く原因となります。
転職
永住許可の要件のひとつとして、生計が安定している必要があります。
永住審査中に転職をしてしまうと、、生計の安定性を判断するために新しい仕事に関する追加資料を要求され、審査が長引きます。
また、審査担当官も転職後の仕事の安定性の判断を慎重に行う必要があるため、審査が長引くことになります。
さらに、審査担当官に不信感を抱かせ、悪い心証を与える原因にもなります。
なお、以上のことから、給料が大幅に上がるような転職や現在よりも圧倒的に安定した会社への転職などの場合は永住許可についてプラスに働く可能性があります。
審査状況の問合せ
永住申請は審査期間が非常に長いため、ちゃんと審査されているのか不安になって入管に審査の進捗状況の問い合わせを行う人もいます。
しかし、審査状況は原則として非公開のため、必要性がないのに頻繁に問い合わせを行うことは審査担当官に悪い心証を抱かせ、審査が長引く原因になります。
【参考】永住許可の要件(永住許可に関するガイドライン)
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- その者の永住が日本国の利益に合する認められること
永住申請の審査期間についてのまとめ
このページでは永住申請の審査期間について解説しました。
永住申請は審査期間が少なくとも4~6か月と非常に長いため、その間の生活上の予定をたてることに支障が出たり、自由な活動が事実上制限されたりしてしまいます。
いたずらに審査期間が長引かないようにするには永住申請について経験豊富な専門家への依頼を検討することも重要です。