ケース別の永住申請

永住申請において前科がある場合

前科ある場合サムネ

永住申請において前科がある場合どう対応すべきか

永住申請を希望する外国人に前科がある場合、許可を得るのは難しいと考える方が多いでしょう。実際の申請においても、やはり前科がある場合の申請は厳しいものとなります。しかしながら、永住申請をする外国人に前科があっても永住許可を取得することは可能です。

実際に当事務所でも、前科がある外国人の申請を代行して許可になったケースがあります。

では、実際に前科がある場合でも、どうしたら永住許可を得られるのでしょか。このページでは前科がある場合の永住申請について解説をします。

なぜ前科があると永住許可を得るのが難しくなるのか

まず、本題に入る前にどうして前科があると永住申請が難しくなるのでしょうか。それは、永住申請の要件の1つに「素行が善良であること」があるからです。

素行要件

素行が善良であること法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

この要件があるため、前科がある場合はこの要件を満たすことができなくなります。ですが、一概に前科があることをもってして必ず永住申請が不許可になるわけではありません。前科があったとしても、処分の日から一定期間経過することによって、素行要件を満たすことが可能です。

期間を空けずに申請をしてもまず間違いなく不許可となってしまうでしょう。

前科がある場合どのぐらい期間をあければいいの?

上記で前科がある場合でも、一定期間経過することによって素行要件を満たすことができると解説しましたが、実際どのくらいの期間を空けるかについては、犯した罪によって異なります。

ほとんどのケースは下記の通りとなりますので、ご参考にしてください。

  • 懲役・禁錮:10年
  • 執行猶予:5年
  • 罰金:5年 ※交通違反を含む

上記の通り、懲役や禁固刑に処された場合は、最低でも10年以上経過してから永住申請をおこなえば許可になる可能性はあります。執行猶予が付いた場合は5年以上あけるようにしましょう。

もちろん、一定期間あけたからといって必ず許可されるわけではなく、前科のない外国人の永住申請に比べて厳しくはなります。この場合の申請は反省文を出すなどすることを推奨しています。

交通違反について

永住申請の素行要件で最もひっかかってしまうのは交通違反です。たかが交通違反と思われるかもしれませんが、内容によっては不許可になります。どのような違反が不許可になる要因となるのかを詳しく解説していきます。

まず、交通違反には行政罰と刑事罰の2種類に分類されます。イメージとしては軽微な違反は行政罰、重度の違反は刑事罰と考えるとイメージがしやすいと思います。

具体的に行政罰と刑事罰に分類される交通違反を下記に記載しますので参考にしてください。

行政罰

  • 一時不停止
  • 信号無視
  • 横断歩行者等妨害等
  • 追越し違反

刑事罰

  • 酒気帯運転
  • 速度超過30km以上(一般道)
  • 速度超過40km以上(高速道路)
  • 無免許運転

いかがでしょうか。おそらく行政罰に分類される交通違反はよく耳にする違反だと思います。刑事罰の交通違反は、通常起こりうることのない重度の違反となります。

永住申請の話に戻すと、行政罰に分類される交通違反の場合は1-2回起こしていてもさほど問題になることはありません。ただし、5年以内に4-5回ほど交通違反を繰り返すと永住申請では不利になるので気をつけましょう。

刑事罰になると、その違反をした日から最低でも5年は期間を空けないと永住許可を得るのは難しいです。そのため、刑事罰になる違反をしてしまった場合はすぐに永住申請をするのでなく5年以上期間を空けてから申請するようにしましょう。

自分がした交通違反が行政罰か刑事罰か分からない場合は、支払った違反金の内容を確認しましょう。反則金の場合は行政罰、罰金の場合は刑事罰となります。

永住申請において前科がある時の対応についてのまとめ

このページでは前科がある場合の永住申請について解説をしました。前科がある場合は、前科のない外国人の申請に比べて難易度が上がります。まず、処分を受けた日から期間を空けなければ永住許可を得ることは難しいといえます。

また、必ずしも期間を空ければ許可になるというものでもなく、申請する場合は反省文などを添付することを推奨します。

処分を受けたことを反省して、期間を空けて申請すれば永住申請が許可になる可能性は十分にあります。実際に当事務所でも前科があるお客様の申請を担当し、無事に許可になったという前例があります。

ご自身の状況で疑問がある場合は1度当事務所にお問い合わせください。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表

グローバルHR事業協同組合 代表理事

湯田 一輝

専門分野:外国人ビザ(在留資格)・帰化申請
開業以来、国際業務を専門とし、年間1000件以上の在留資格・帰化実務に対応

【運営サイト】
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