永住許可申請の必要書類について
永住許可申請においては、個々の状況によって、多くの書類を用意しなければなりません。また必須資料の用意だけでなく、審査において不利益になり得る事項(長期出国、年収、公租公課の支払い状況など)がある場合、当該不利益事項をカバーする理由書や疎明資料があると望ましいです。
下記、ケース別の必要書類リストのダウンロードを含め、永住許可申請時の必要書類について解説をしていきます。
永住許可申請の必要書類一覧
それでは、永住許可申請に必要な書類を順番に解説していきます。必要書類については、入国管理局のホームページにも記載がありますが、下記によりわかりやすく取りまとめています。
※申請人とは、日本での永住を希望している外国人の方のことです。
※日本で発行される証明書は全て、発行日から3か月以内のものを提出してください。
- 永住許可申請書1通
- 写真(縦4cm×横3cm)1葉
- 理由書 1通
- 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
- 申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料
- 直近(過去5年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料
- 申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
- パスポート 提示
- 在留カード又は在留カードとみなされる外国人登録証明書 提示
- 身元保証に関する資料
- 了解書 1通

1 永住許可申請書 1通
※地方出入国在留管理官署において,用紙が備え付けであります。また,入国管理局のホームページからもダウンロードできます。
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。
※16歳未満の方は,写真の提出は不要です。
3 理由書 1通
※永住許可を必要とする理由について,自由な形式で記載をしてください。
※日本語以外で記載する場合は,翻訳文が必要です。
4 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
※個人番号(マイナンバー)については省略し,他の事項については省略のないものが必要になります。
5 申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料
(1) 会社等に勤務している場合
在職証明書 1通
6 直近(過去5年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料
(1) 住民税の納付状況を証明する資料
直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通
※取得する年度の1月1日に住民票を設置していた市区町村から取得ができます。直近5年以内に引っ越しがある方はご注意ください。
(2) 国税の納付状況を証明する資料
源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税に係る納税証明書(その3)
※住所地を管轄する税務署から発行されるものです。税務署の所在地や請求方法など,詳しくは国税庁ホームページを御確認ください。
(3) その他
次のいずれかで,所得を証明するもの
a 預貯金通帳の写し
b 上記aに準ずるもの
7 申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
(1)直近2年間の年金の支払い状況が分かる資料
ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
※日本年金機構のホームページから,ねんきんネットに登録することができます。
(2)健康保険の加入状況が分かる資料
健康保険証の両面コピー
※ 保険者番号及び被保険者等記号・番号が記載されている書類(写しを含む。)を提出する場合には,これらの番号の部分を黒塗りするなど,保険者番号及び被保険者等記号・番号を復元できない状態にした上で提出してください。
(3)直近2年以内に国民年金に加入していた期間がある場合
国民年金保険料領収証書(写し)
※直近2年間において国民年金に加入していた期間がある方は,当該期間分の領収証書(写し)を全て提出してください。
8 パスポート 提示
9 在留カード又は在留カードとみなされる外国人登録証明書 提示
10 身元保証に関する資料
(1) 身元保証書
※地方出入国在留管理官署に,用紙があります。また,入国管理局のホームページから取得することもできます。
(2) 身元保証人に係る次の資料
次のa~cを提出してください。
a 職業を証明する資料
在職証明書等,役員の方等は会社の登記簿謄本等
b 直近(過去1年分)の所得を証明する資料
住民税の課税証明書,源泉徴収票の写し等
c 住民票 1通
11 了解書 1通
※地方出入国在留管理官署に,用紙があります。また,入国管理局のホームページから取得することもできます。
ケース別の必要書類リストをダウンロード
申請人が日本人の配偶者または永住者の配偶者の場合
申請人が経営者で在留資格「経営管理」の場合
申請人が就労関係の在留資格「技術・人文知識・国際業務」、「技能」などの場合
永住許可申請の審査期間
出入国在留管理局の公式ホームページでは、審査の標準処理期間は「4か月」となっております。
一方で実情として、永住許可の審査は「1年以上」に及び、最も混雑する東京入管の管轄では「1年6か月」程度の審査期間を要しております。
永住許可申請の注意点
永住許可申請の注意点として、永住許可申請時は永住許可の要件を満たしていたが、永住審査期間中に何らかの変更があって要件を満たさなくなってしまうケースが挙げられます。
上記で述べたように、永住許可申請の審査期間は1年程度の期間を要しております。そのため、永住審査期間中に要件を満たさなくなってしまうケースが散見されます。
どのようなケースが該当してくるかは2021年10月1日から提出が必須になった【了解書】を見るとよくわかります。了解書を要約すると、永住申請の審査期間中に下記の事項が発生した場合、速やかに入国管理局に連絡することを誓約したものとなります。
つまり、了解書に記載のある内容が永住申請の注意点となります。

就労状況に変更があった場合
例:所属期間を退職したり転職した場合
永住審査中に勤務先を退職した場合や別会社に転職をしているケースです。退職した場合は、収入がなくなりますので、退職によって世帯年収が大幅に下がれば不許可の要因となります。また、転職によって年収が下がるケースや、職務内容に在留資格該当性が認められないケースも不許可の要因となります。
退職と転職のどちらのケースにも言えることですが、一般的に1か月以上無職の期間が発生すると国民年金と国民健康保険の加入と支払いが必要になります。国民年金と国民健康保険は、退職日の翌日から14日以内に、住んでいる市区町村の役所・役場の担当窓口で手続きをしなければなりません。
この手続きが遅れた場合、国民年金または国民健康保険の支払いが遅れ、結果として永住許可申請が不許可になるリスクが高まります。何もせずに切り替えなかった場合も同様です。
家族状況に変更があった場合
例:配偶者と離婚した場合、同居していた家族と別居することになった場合、扶養者が増えた場合など
配偶者との離婚または同居家族の別居は世帯年収の減少につながります。世帯の主たる生計の維持者が元配偶者等であった場合、年収要件を満たしていないということで不許可の要因になります。
また永住審査中に本国の家族を扶養に入れた場合、満たすべき年収額が上がります。許可ラインぎりぎりで申請している人は、審査期間中の扶養人数の増加には気を付けましょう。
税金,年金保険料及医療保険料の納付状況について,申請時点から変更が生じた場合(滞納した場合等)
審査期間中に税金、年金保険料及び医療保険料を滞納または支払いを遅滞したケースです。申請前は会社員で給与から天引きされていたが、転職や退職などで自分で支払いをしなければならなくなった方が代表的な例です。会社員の状況で永住申請した場合は、なるべく転職や退職はしないほうがよいといえるでしょう。
生活保護等の公的扶助を受けることとなった場合
病気などにより生活保護を受給せざる負えなくなったケースです。様々な事情があると思いますが、生活保護を受給した場合、永住許可は難しいでしょう。
刑罰法令違反により刑が確定した場合
犯罪等で逮捕されてしまったケースです。ここで注意が必要なのは交通違反です。交通違反は行政罰と刑事罰に分かれています。イメージとしては行政罰=軽い違反(一時不停止、駐車違反など)、刑事罰=重大な違反(飲酒運転、無免許運転など)です。1-2回程度の行政罰の場合は永住審査に特段影響はありませんが、刑事罰の場合は影響があります。審査期間中の運転には気をつけてください。
※上記に該当することがあったにもかかわらずに、入国管理局に報告せずに永住許可を受けた場合、永住許可が取り消されることがあります。
高度人材外国人の永住許可申請の注意点
近年では高度人材外国人の永住許可申請が増加傾向にあります。高度人材外国人は入国管理局が定めるポイント計算表で70点以上ある外国人であり、居住年数等が緩和されて申請できる制度です。
高度人材外国人が永住申請をする場合に注意が必要なのは、永住審査期間中にポイントが維持できなくなるケースです。最も代表的な例として、永住審査期間中に誕生日を迎えて年齢が上がることです。年齢が上がると年齢による加点が減ることに加え、年収の基準があがってしまいます。
また、転職によって年収が下がるケースも注意が必要です。
永住審査期間中にポイントが減ってしまうと不許可の要因となります。
永住許可申請の申請までの準備期間
永住許可申請にかかる準備期間は個人差がありますが平均で2か月程度です。内訳は必要書類を収集するのに1か月程度、申請書を作成して入国管理局に申請するまでが1か月程度です。
永住許可申請の身元保証人
身元保証人は、原則永住者または日本人になってもらいます。2024年時点で身元保証人が用意する書類は身分証明書の両面コピーと身元保証書のみです。2022年までは身元保証人が用意する書類は、課税証明書、納税証明書、住民票、在職証明書、身元保証書、身分証明書の両面コピーとなっておりましたが、現時点では身分証明書の両面コピーと身元保証書のみで申請ができます。
社会保険料の支払い状況
社会保険料について、入国管理局のホームページでは、【申請人及び申請人を扶養するかた】の書類の提出が必要と記載がされております。ここで問題となるのが、申請人に配偶者がいるケースで申請人の収入で申請するケースです。この場合、申請には誰からも扶養されていないので申請人の書類のみ提出すればよいと解釈するのが通常です。
しかしながら、近年の永住許可申請では上記のようなケースでも配偶者の社会保険料の書類の提出も求められます。何らかの事情で配偶者を扶養にいれてなかったり、配偶者が国民年金や国民健康保険料を滞納している場合は注意が必要です。
終わりに
このページでは永住許可申請の必要書類を解説いたしました。永住許可申請の必要書類は個々の状況に応じて異なり、また個別の状況に応じて永住許可審査で有利になる書類または理由書の提出が必要です。
なかなか個人で判断することが難しい場合もありますので、悩んだ際は専門家にご相談することをお勧めします。