ケース別の永住申請

年収300万円以下での永住申請について

年収300万円以下の永住権申請サムネ

永住申請の年収条件について

永住申請では、様々な要件がありますが、そのうちの1つに収入要件というものがあります。収入条件の金額が明確に公表されているわけではありませんが、最低でも年収300万円以上が必要とされています。

収入条件をクリアしているかを証明する資料は、市区町村発行の課税証明書です。つまり永住申請時を起算として数年分の課税証明書の提出が必要になります。この課税証明書ベースで年収300万円以上を連続で満たしていれば、収入条件はクリアできる可能性が高くなります。

課税証明書ベースで300万円を満たしていない場合、永住申請をしても不許可になってしまう可能性が高いです。しかしながら、すぐの申請が難しくても期間を空ける等をすれば永住許可の道は見えてきます。

このページでは、年収が300万円以下の場合の永住申請について解説します。

課税証明書の提出期間について

永住申請で提出する課税証明書は原則直近5年分です。つまり直近5年の全ての課税証明書で300万円以上の収入が必要になります。

しかし、永住申請時の状況によって提出する課税証明書の期間が短縮される場合があります。ベースとなる300万円が下がるということはありません。下記に緩和される条件と緩和後の年数を記載します。

永住申請の収入要件が緩和される条件と緩和後の年数

  1. 申請人の方が,日本人の配偶者,永住者の配偶者,特別永住者の配偶者のいずれかである場合。 直近3年分に緩和
  2. 申請人の方が,日本人の実子(特別養子縁組を含む),永住者の実子,特別永住者の実子である場合。 直近1年分に緩和
  3. 申請人の方が,「高度人材外国人」である場合。高度人材ポイント計算で80点以上ある場合は直近1年分。70点以上の場合は直近3年分に緩和

上記に該当する場合は3年若しくは1年分の課税証明書の提出で収入要件を満たすことができるので、年収が300万円以下の場合でもあと数年の実績を作ることで、収入要件を満たす場合があります。

永住申請の世帯の収入について

単独で300万円以上の収入条件を満たせない場合、状況によっては世帯の収入で審査をしてもらえる場合があります。世帯収入で審査がされれば年収300万円以下でも永住許可をもらえる可能性があります。

世帯の収入で審査されるケースとして、永住申請人が日本人の配偶者等や永住者の配偶者等などの身分系の在留資格を所有している場合です。この場合は、配偶者の年収も合算して収入の審査をしてもらうことができます。

一方で、永住申請人が技術人文知識国際業務などの就労ビザを所有している場合は、単独で収入条件を満たさなければなりません。また、配偶者が家族滞在等の在留資格で日本に滞在している場合、配偶者の資格外活動でのアルバイトの収入は合算してもらうことは難しいです。

永住申請の連続300万円以上の収入の解釈について

連続で最低でも300万円以上の収入が1つの基準になると解説をしましたが、例えば3年前は転職活動等で無職の期間があり、300万円以下の基準をクリアできませんでしたが、別の年で600万円以上の収入があり平均すれば300万円以上の収入がクリアできると仮定します。

この場合、収入条件を満たしているかがポイントとなりますが、1年でも300万円を下回っている年があれば収入条件はクリアしていないと判断される可能性が高いです。継続的に全ての年で300万円以上の収入をクリアしている必要があります。

つまり、毎年300万円以上の収入があることが必要です。1年でも300万円以下の年があれば、平均で300万円以上の収入があっても収入要件を満たしているとはいえません。

今年の収入で永住申請の収入要件の連続300万円を満たせる場合

上記で解説した通り、永住申請では市区町村発行の課税証明書の提出が必須です。しかしながら、課税証明書が発行できるのは早くても収入のあった翌年の5月になります。つまり、当該年の1月から12月の収入金額が課税証明書に反映されるまでに、5カ月程度の期間を要するということになります。

上記の場合、勤務先が発行する源泉徴収票を提出することによって、5月に発行される課税証明書を待たずして永住許可を得られるケースがあります。すぐに永住申請をしたい方には直近1年分の源泉徴収票を提出するようにしましょう。

源泉徴収票を提出することによって直近1年分の収入を証明する場合、源泉徴収票の提出方法は、勤務先で法人印を押印してもらうことが望ましいです。なぜなら源泉徴収票は簡単に偽造できてしますので、提出する書類が真正なものとして扱ってもらうために、できるだけ勤務先で法人印を押印してもらうようにしましょう。

現在は、会社から手渡しで源泉徴収票を渡されるということが減ってきており、パソコンで印刷するというケースが非常に多くなってきています。この場合も、印刷した源泉徴収票に法人印を押印してもらうようにしましょう。

上記の方法で直近の課税証明書の代替として源泉徴収票を提出した場合でも、審査期間中に直近の課税証明書が発行できるようになる可能性があります。永住申請の審査期間は長いため、課税証明書の発行を待たずに源泉徴収票で申請しても、審査期間中に課税証明書が発行できる時期が到来するケースです。

この場合、ほぼ間違いなく入国管理局から追加書類として最新の課税証明書が要求されることになります。提出が求められたら速やかに提出するようにしましょう。

まとめ

このページでは年収300万円以下の永住申請について解説をしました。ポイントとしては、対象期間の年収が300万円以下の年が1年でもあれば永住許可を得るのは難しいですが、申請人の身分事項や世帯収入でカバーできるケースがあるということです。

年収300万円以下の年があって厳しいかなと思っている方でも可能性はありますので、悩んでいる方は是非1度当事務所にお問い合わせください。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表

グローバルHR事業協同組合 代表理事

湯田 一輝

専門分野:外国人ビザ(在留資格)・帰化申請
開業以来、国際業務を専門とし、年間1000件以上の在留資格・帰化実務に対応

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