無事に会社を設立できた――それなのに、肝心の法人口座(会社名義の銀行口座)がなかなか作れない。これは、外国法人の日本進出でとても多いつまずきです。海外では会社設立の手続きに銀行口座の開設まで含まれる国も少なくありませんが、日本ではこの二つはまったくの別物で、会社を設立できたからといって法人口座が当然に作れるわけではありません。とくに外資系の新設法人や外国籍の代表者の場合、「外国人 法人口座 開設 難しい」と検索したくなるほど、審査のハードルが高くなりやすいのが実情です。口座がないと、海外から送った資本金を会社のお金として動かせず、取引先への支払いも入金も始められず、開業そのものが足踏みしてしまいます。本記事では、なぜ外国法人・外国人の銀行口座開設が日本で難しくなりやすいのかを誠実に説明したうえで、銀行が何を見ているのか、どう備えれば通る可能性を高められるのかを、国際業務を専門とする行政書士の視点で整理します。なお、口座開設の可否は最終的に各金融機関の判断であり、本記事や当法人がその開設を保証するものではありません。
※内容は2026年7月時点。最新は公式情報・各金融機関にご確認のうえ専門家にご相談ください。
この記事でわかること
- 日本では「会社を設立できた=法人口座が作れる」ではない理由
- 外資・新設・外国籍代表・非居住者・バーチャル事務所が審査で不利になりやすい背景(金融庁の方針のもとでのAML/CFT強化)
- 銀行が審査で見ている主なポイント(事業の実体・商流・資本金・事業所・代表者の在留資格など)
- 銀行ごとの傾向(メガバンク/地方銀行・信用金庫/ネット銀行・ゆうちょ/母国銀行の日本支店)と審査期間の目安
- 払込と法人口座の“ニワトリと卵”――個人口座→払込→法人口座という正しい順序
- 資本金を出身国から持ち出し日本へ入れるときの注意点(外貨規制・送金と現金持込・資金の出所証明)
- 法人口座開設で求められる主な書類と、来店・面談など申込みの進め方
- 通る可能性を高める6つの備えと、当法人のサポート・無料相談への進み方
1. 「会社を作れた=口座が作れる」ではない――背景にあるAML/CFT
まず、最も大きな誤解を解いておきます。日本では、会社(法人)を設立できたことと、その会社の銀行口座(法人口座)を開設できることは別の話です。登記が完了して会社が法的に成立しても、金融機関が口座開設に応じてくれるとは限りません。新設法人は事業の実績がまだないため、銀行から見ると「実際にどんな事業をしている会社なのか」を確認しづらく、審査のハードルが上がりやすいのです。
しかも近年は、日本人が代表者を務める新設法人であっても、法人口座の開設は以前ほど容易ではなくなっており、外国籍の代表者や外国法人の日本子会社では、その傾向がさらに強まりやすいと言われています。これは特定の銀行が外国人を嫌っているという話ではありません。背景にあるのは、金融庁の方針のもとで各金融機関が進めている、マネー・ローンダリング(資金洗浄)/テロ資金供与対策(AML/CFT)とコンプライアンスの強化です。おおむね2020年前後以降、金融機関は口座が犯罪に悪用されるのを防ぐため、開設時の確認を一段と厳格にしてきました。新設・外国籍・非居住者・実体の見えにくい事業所といった要素は、銀行にとって確認に手間と時間がかかるため、結果として慎重な審査につながりやすいのです。これは外国法人だけを狙い撃ちにした不当な扱いではなく、社会全体で進む不正防止の取り組みの一環だと理解しておくとよいでしょう。
日本進出で注意したいポイント①――「会社さえ作れば口座も作れる」は通用しない
海外では会社設立に口座開設が含まれる国もありますが、日本では別物です。「登記が終われば口座は当然できる」という前提でスケジュールを組むと、開業直前に口座が間に合わず、資本金を動かせない・取引を始められないという事態に陥りがちです。会社設立と法人口座開設は“別の関門”と考え、口座にも相応の準備期間を見込んでおきましょう。
2. 銀行は何を見ているのか――核心は「事業の実体があるか」
口座開設の審査基準は各金融機関が独自に運用しており、その詳しい内容は公表されていません。そのため確実な合格ラインを示すことは誰にもできませんが、実務の積み重ねから、銀行が共通して気にする傾向は整理できます。突き詰めれば、銀行が最も重視するのは「この会社は本当に事業をしているのか(事業の実体があるのか)」という一点です。審査で見られやすい主なポイントを一覧で示します。
| 見られやすいポイント | 銀行が確認したいこと(傾向) |
|---|---|
| 会社設立の経緯・事業内容 | どんな目的で設立され、何の事業(業種・業態)を行うのか |
| 商流(モノ・サービスとお金の流れ) | 誰から仕入れ、誰に売り、お金がどう動くのか。取引先は実在するか |
| 資本金の額・想定年商 | 事業の規模感。資本金の出どころ(資金の源泉)を説明できるか |
| 事業所(住所と実体) | 独立した事業所が実在するか。バーチャルオフィス等でないか |
| 代表者の在留資格・在留期間 | 日本に住所があり、経営・管理など就労可能な在留資格を持つか |
| 役員構成・従業員の有無 | 誰が経営し、誰が働くのか。日本での連絡・対応の体制があるか |
| 外国為替取引の有無 | 海外送金・外貨取引がどの程度あるか(確認項目が増えやすい) |
これらに加え、日本語でのやり取りができるか、信頼できる日本人スタッフや専門家が窓口にいるか、といった点が審査の印象に影響することもあると言われています。共通するのは、銀行が「書類の形式」よりも「事業が実在し、お金の流れに不自然さがないこと」を確認しようとしている点です。
日本進出で注意したいポイント②――代表者が海外在住のままだと、ほぼ作れない
代表者が日本の非居住者(海外在住)のままだと、そもそも口座開設に応じない銀行が多いのが実情です。国籍が日本でも、非居住者だと難しいことがあります。多くの銀行は外国人代表の口座開設にあたり、代表者が日本に住所を有し、経営・管理など就労可能な在留資格を持つことを実質的に求めます。口座開設の前提として「代表者の来日・住民登録・在留資格の取得」が必要になりやすいのです。
3. 銀行ごとの傾向――どこに相談するか
どの金融機関に相談するかでも、通りやすさの感触は変わります。以下はあくまで一般的なイメージで、同じ銀行でも支店・時期・担当者や会社の状況によって対応は大きく異なり、「この銀行なら必ず作れる/作れない」という話ではありません。
| 金融機関の種類 | 一般的な傾向(あくまでイメージ) |
|---|---|
| メガバンク(都市銀行) | 審査が最も厳しい傾向。相応の規模の外国法人の日本子会社などを除き、新設の外資系法人にはハードルが高いことが多い |
| 地方銀行・信用金庫 | その地域に事業の実体や関係性があると、相対的に相談しやすいことがある |
| ネット銀行・ゆうちょ銀行 | 比較的開設しやすいという声もある一方、用途・機能(海外送金や取扱通貨など)に制約がある場合がある |
| 母国銀行の日本支店 | 既存の取引実績や関係性によるところが大きく、銀行による |
審査にかかる期間も銀行によってさまざまで、申込みから結果まで2〜3週間程度という例が多く、追加書類を求められるとさらに2週間ほど上乗せになることもあります。新設法人の口座は「申し込めばすぐ作れる」ものではなく、開業日程を左右するクリティカルパス(律速工程)のひとつと考え、早めに動き始めるのが安全です。
4. “ニワトリと卵”――払込と法人口座の正しい順序
外国法人の口座まわりで最もスケジュールを狂わせやすいのが、資本金の「払込」と「法人口座」をめぐる、いわば“ニワトリと卵”の関係です。順を追って整理します。
まず、会社名義の法人口座は、設立登記が完了して会社が成立した後でなければ作れません。ところが設立手続きでは、登記の前に資本金を払い込み、その払込があったことを証明する必要があります。会社の口座はまだ存在しないため、この払込は、出資して会社を設立する個人(株式会社では発起人、合同会社では出資する社員。多くの場合は代表者本人)の日本の銀行口座に対して行います。
ここで次の壁が現れます。新しく来日した外国人にとっては、この“発起人個人の日本の口座”を作ること自体が簡単ではないのです。一般に個人口座の開設には、在留期間が6か月以上あること・住民登録があること・在留カードを持っていることなどが前提とされる傾向があり、滞在が短い段階では送金などに制限のある非居住者向け口座しか開けないこともあります。新規に来日した段階の個人口座については、ゆうちょ銀行や一部のネット銀行が比較的相談しやすいという声もありますが、近年はどの銀行も確認を厳格化しており、住民登録後の経過期間や在留資格によって対応は変わります。
そのため、外国法人・外国人の設立では、次のような順序になりやすいのが実情です。
| 順序 | 内容 |
|---|---|
| ① 来日・住民登録 | 代表者(発起人)が来日し、住所を定めて住民登録を行う |
| ② 個人口座の開設 | 在留カード・住民票などをそろえ、本人名義の日本の銀行口座を開設する |
| ③ 資本金の払込 | その個人口座へ資本金を払い込み、払込を証明する |
| ④ 設立登記(会社成立) | 払込の証明などをそろえ、法務局へ設立登記を申請する(登記は提携司法書士が対応) |
| ⑤ 法人口座の開設 | 会社の成立後に、会社名義の法人口座の開設を申し込む |
| ⑥ 資本金を会社へ | 法人口座が開けたら、資本金を会社のお金として移し、事業に使う |
つまり口座の問題は「法人口座を作れるか」だけでなく、その手前の「個人口座を作って払込を済ませられるか」から始まっています。経営・管理の在留資格を前提に資本金3,000万円を海外から送金する場合は、送金経路や外国為替及び外国貿易法(外為法)上の手続(多くは事後報告)なども絡むため、代表者の来日・住民登録の時期を含め、いっそう早めの段取りが要ります。
なお、ここまでの順序は、本人が来日して自分の個人口座で払込まで行うケース(本人先行型)を前提としています。本人が国外にいるまま進めるなら、日本に住所と在留資格をもつ協力者(設立時取締役など)の口座を払込先にする形(協力者型)もあります。
このとき、次の2つは別々の軸である点に注意してください。軸①=誰が出資者・株主か――本人個人か、本人が支配する本国法人のODI(対外直接投資)か。軸②=誰の口座で払込を受けるか(本人が来日するか)――本人名義の口座か、協力者の口座か。この2つは独立していて、たとえば〔株主=本国法人(ODI)+払込=協力者の口座〕のように組み合わせられます。出資の主体(軸①)と払込の担い手(軸②)を最初に分けて決めておくと、送金経路と口座開設の段取りがぶれません。在留資格をどう取るか(本人先行か協力者型か)は「経営管理ビザ」の記事で解説します。
日本進出で注意したいポイント③――払込と法人口座の“ニワトリと卵”でスケジュールが遅れる
「会社の口座は設立後にしか作れない」「設立前の払込には個人口座が要る」「ところが新規来日の外国人は個人口座の開設も簡単でない」――この三つが重なると、資本金を動かせないまま時間だけが過ぎてしまいます。これは外国法人の設立で最も多い遅延要因のひとつです。来日・住民登録・個人口座・払込・法人口座という順序を、最初から逆算して設計しておくことが、遅れを防ぐ最大のポイントです。
5. 資本金を日本へ“入れる”――出身国の外貨規制と送金・持込の注意点
前節で見た払込・法人口座の順序に加えて、外国法人の進出で見落とされがちなのが、そもそも資本金そのものを日本へ“入れる”ことの難しさです。経営・管理の在留資格が求める資本金は3,000万円と大きく、この資金を出身国から合法的に持ち出し、日本の口座へ着金させるまでに、思わぬ壁があります。問題は「出身国から出す側」と「日本へ入れる側」の二つに分けて考えると整理しやすくなります。
出身国から“出す”側――規制は国によって大きく異なる
資金をどう持ち出せるかは、出身国の外国為替規制によって大きく変わります。ご相談の多い中国を例にとると、個人が使える年間5万米ドルの為替枠は、留学・旅行・医療といった経常取引のためのもので、海外への投資(会社への出資)には使えません。中国では現在、個人による対外直接投資の為替ルートそのものが開かれていないため、3,000万円規模の資本金を個人がそのまま送金することは、制度上きわめて難しいのが実情です。現実的な合法ルートは、(1) すでに海外にある資金(海外口座の預金や海外で得た所得など)を使う、(2) 本人が支配する自国の法人を通じてODI(対外直接投資の届出)を行う、のいずれかが中心で、(2) には数か月の手続期間を要します。なお、自国の法人も海外資金も持たない個人の場合、合法的に大きな資金を持ち出す手段は限られます。
中国以外の国でも、外貨規制の有無や送金上限は国ごとに異なります。共通して言えるのは、どの国から送る場合でも、大きな金額の移動には出身国・日本の双方でマネー・ローンダリング対策上の確認や資金の出所の証明が求められる、という点です。資金をどう出すかは出身国側の法令にかかわる事柄ですので、出身国の専門家にも早めにご確認ください。
日本へ“入れる”側――送金と現金持込で注意点が違う
日本へ資本金を入れる方法は、海外送金と現金持込の大きく二つですが、注意点はそれぞれ異なります。
| 観点 | 海外送金 | 現金持込 |
|---|---|---|
| 前提 | 着金先となる日本の口座が先に必要(前節の個人口座の問題に直結する) | 入国時に本人が現金を携帯する |
| 主な注意点 | 為替レートと手数料の分だけ目減りする。3,000万円ちょうどを送ると2,999万円台で着金し「全額払込」と認められないことがあるため、余裕をもって多めに送る | 1回に3,000万円の現金を持ち運ぶのは現実的でなく、紛失・盗難のリスクも大きい |
| 申告・証明 | 送金記録を残し、資金の出所を説明できるようにする | 100万円相当を超える現金を日本へ持ち込む場合は税関への申告が必要。申告書(控え)を保管する |
いずれの方法でも共通するのは、資金の出所証明(その資金が本当に本人のもので、どのように準備されたか)を求められる点です。入管も銀行も、一時的な“見せ金”や出所の不明な資金を警戒します。出所を説明できなければ、ほかの書類が整っていても、在留資格・口座開設の双方で不利になりかねません。
日本進出で注意したいポイント④――やってはいけない資金の集め方は、ビザも口座も失う
資金を急ぐあまり、違法・違反の方法で資本金を用意してはいけません。地下銀行(いわゆる地下送金業者)、送金を小口に分けて規制を逃れる行為、他人の外貨枠を借りる行為、架空取引を装う行為などは、出身国側で罰則の対象となり得ます(中国の例では、要注意リストへの登録・年間外貨購入枠の停止・マネー・ローンダリング調査への移送・制裁金、悪質な場合は刑事責任など)。さらに日本側でも、こうした経路で入れた資金は出所不明や“見せ金”とみなされ、在留資格の不許可・口座開設の見送りに直結します。資金は、合法的に・出所を証明できる形で準備することが、結局は最短の道です。
6. 法人口座開設で求められる主な書類と、来店・面談
審査の中身は銀行ごとに異なりますが、申込みのときにそろえる書類と、その進め方には、おおむね共通の型があります。新設・外資系の法人では、とくに「事業の実体」を示す資料を厚めに求められる傾向があるため、早めに準備しておくと安心です。代表的な書類を一覧で示します(最終的に何を求めるかは各金融機関の判断によります)。
| 区分 | 主な書類(例) |
|---|---|
| 会社の基本情報 | 履歴事項全部証明書(登記事項証明書)、定款、会社の印鑑証明書 |
| 代表者・関係者 | 代表者の本人確認書類(在留カード・パスポート等)、必要に応じて役員の情報、実質的支配者(最終的に会社を支配する個人)に関する申告 |
| 事業の実体を示す資料 | 事業所の賃貸借契約書、会社案内・ホームページ・パンフレット、取引先との契約書・見積書・請求書、業種により許認可証 |
| 事業の中身を説明する資料 | 事業計画書(商流・資金の源泉・想定年商などを説明できるもの)、子会社の場合は海外本社との関係を示す資料 |
このほか、銀行によっては納税に関する書類や、海外送金(外国為替取引)の見込みについての確認を求められることもあります。前述のとおり、銀行が確かめたいのは「書類の形式」よりも「事業が実在し、お金の流れに不自然さがないこと」です。書類は、その実体を分かりやすく裏づけるために用意する、と考えると過不足を判断しやすくなります。
来店・面談の有無
多くの銀行では、法人口座の開設にあたって代表者本人の来店を求めます。窓口で書類を確認するだけでなく、事業の内容や設立の経緯、お金の流れについて、その場で簡単な面談(ヒアリング)が行われることもあります。日本語でのやり取りに不安がある場合は、日本語のできるスタッフや専門家が同席できる体制を整えておくと、コミュニケーションが円滑になり、印象にも良い影響を与えることがあります。ネット銀行などオンライン中心で手続きが完結する場合もありますが、その場合でも書類による本人確認・実体確認は行われます。
7. 通る可能性を高める6つの備え
口座開設の可否は最終的に銀行の判断ですが、準備しだいで通る可能性は高められます。実務で効きやすい備えを、チェックリストとして6点にまとめます。
① 実体のある独立した事業所を確保する。 バーチャルオフィスやレンタル会議室、シェアオフィスは事業所の実体が確認しにくく、審査で不利になりやすい傾向があります。これは経営・管理の在留資格が求める「独立した事業所」要件とも連動し、住所選びは登記・ビザ・口座のすべてに効く“最初の分岐点”です。
② 事業計画・商流・資金の源泉を説明できる資料を整える。 「誰から仕入れ、誰に売り、お金がどう動くのか」「資本金はどこから来たのか」を、担当者が短時間で理解できる資料にしておきます。取引先との契約書や見積り、海外本社との関係を示す資料があると、実体の説明に役立ちます。
③ 必要書類を漏れなく準備する。 登記事項証明書、定款、各種届出、印鑑証明書、本人確認書類などを、銀行ごとの求めに応じてそろえます。書類の不足や不整合は、それだけで審査の長期化や見送りの原因になります。
④ 代表者が日本に住所と適切な在留資格を持つ状態で申請する。 前述のとおり非居住者のままではほぼ通りません。来日・住民登録を済ませ、経営・管理など就労可能な在留資格を得たうえで申請する形にします。
⑤ 日本語で対応できる体制を整える。 日本語でのやり取りや、信頼できる日本人スタッフ・専門家の同席は、銀行とのコミュニケーションを円滑にし、印象にも良い影響を与えることがあります。
⑥ メガバンク一本に絞らない。 最も審査の厳しいメガバンクだけに賭けず、事業規模・地域に合った地方銀行・信用金庫やネット銀行なども候補に入れ、複数の金融機関に並行して相談することを検討します。
これらはいずれも「事業の実体を、銀行に分かりやすく示す」という一点に通じます。逆に実体の説明があいまいなまま申し込むと、どの銀行でも審査は慎重になりがちです。
それでも見送りとなったら。 万一、複数の銀行で口座開設を見送られても、打てる手はあります。設立直後は実績や実体の見えにくさが不利に働くため、事業所・取引先との契約・事業の見込みなどをより明確にし、時間をおいて改めて申し込むと、評価が変わることがあります。母国の銀行が日本に支店をもつ場合は、既存の関係を活かして相談する選択肢もあります。なお、決済代行サービスや海外送金サービスは、取引先からの入金の受け皿としては役立つことがありますが、会社設立時の資本金の払込には、発起人(出資者)個人名義の銀行口座が必要で、これらのサービスでは代替できません(設立後に会社のお金を扱うには、別途、会社名義の法人口座が必要です)。
日本進出で注意したいポイント⑤――“安い住所”は、口座でもビザでも高くつく
固定費を抑えようとバーチャルオフィスを選ぶと、口座開設で「事業所の実体がない」と見なされて不利になるだけでなく、経営・管理の在留資格でも「独立した事業所」と認められず、契約のやり直しとビザ・口座の遅れで、かえって時間も費用もかさみます。住所の選択は登記・ビザ・口座が連鎖する“入口”です。最初から、両方に通用する独立した事業所を選んでおくことが、結局は近道です。
8. 口座開設は「設立・在留資格・事業所」と一体で設計する
ここまで見てきたように、法人口座の開設は単独で考えるべきものではありません。事業所(住所)の選び方、代表者の在留資格、資本金を海外から送金・払込する段取り、事業の実体の整え方――これらはすべて口座の通りやすさに直結します。会社設立・在留資格・事業所と一体で設計するほど、口座は通りやすくなります。
日本では、それぞれの手続きを担当する専門家が分かれています。会社設立の登記は司法書士、税務は税理士、労務は社会保険労務士、在留資格(ビザ)・許認可は行政書士が担います。法人口座の開設そのものは銀行が審査して可否を判断するものであり、どの専門家であっても「必ず作れます」と保証できるものではありません。
まずは無料相談から
「会社は作れても、なぜ日本の銀行口座が作れないのか」「自社のケースでは何を・どの順番で準備すればよいのか」を整理するところから始めませんか。行政書士法人タッチでは、初回のご相談を無料で承っています(STEP 0:無料相談)。現状とご進出の計画をうかがい、口座開設を含む手続きの全体像と、設立・在留資格・事業所と一体にした正しい段取りをご案内します。具体的な支援が必要になった場合は、内容に応じた有料プラン(PHASE 1:初期コンサルティング 330,000円〔税込〕〜 など)をあらためてご提案します。法人口座開設の手続きサポート(66,000円〜165,000円〔税込〕)も会社設立・在留資格と一体でご利用いただけます(口座開設の審査・可否は各金融機関の判断であり、開設を保証するものではありません)。登記・税務・労務は提携の各専門家、在留資格・許認可は行政書士が担当し、タッチが窓口として連携します。まずはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
メール:contact@touch.or.jp/電話:埼玉オフィス 048-400-2730 / 東京オフィス 03-6825-0994









